研究課題/領域番号 |
12558107
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
坪井 陽一 京都大学, 医学研究科, 講師 (60221420)
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研究分担者 |
村上 賢一郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00174269)
エクテサビ アリ・モタメド 京都大学, 工学研究科, 教授 (50232939)
松久 寛 京都大学, 工学研究科, 教授 (00109034)
玄 丞烋 京都大学, 再生医学研究所, 助教授 (90283655)
高橋 克 京都大学, 医学研究科, 助手 (90314202)
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キーワード | インプラント / イオンビーム / ハイドロキシアパタイト |
研究概要 |
イオンビームアシスト蒸着法による数千Åの膜厚のHAP薄膜加工インプラントを作製し、その生体親和性評価を行った。 1.イオンビームアシスト蒸着法による三次元構造体への数千Åの膜厚のHAP薄膜加工インプラントの作製 三次元的にシリンダーやねじの上に均一均質なHAP薄膜加工ができるようにジグの開発を行い、また加工に使用した日新電気製の装置に使用できるβ-TCPのターゲットの作製を行った。予備実験としてシリコンウエハースの上に20〜30μmのHAP薄膜が均質に再現性を持って作製される条件設定を確認し、チタン製のシリンダー型およびねじ型インプラントへのイオンビームアシスト蒸着法によるHAP加工インプラントの作製に成功した。 2.シリンダー型インプラントによる本実験 シリンダー型インプラント(HAP加工およびコントロールのチタンインプラント)を5羽の家兎脛骨の左右に埋入し、12週後に安楽死させ、インプラント周囲の骨接触率を含めた組織形態学的な観察を行った。結果、インプラント周囲の骨接触率はHAP加工群(70.2%)では、周囲に活発な骨の再生が示され、コントロール群(41.6%)と比較して有意に高い骨接触率を示した。また、マイクロイオンビームPIXEによるHAP加工インプラント周囲の骨におけるチタン溶出の分析においては、コントロール群では5〜10ppmのチタン金属の溶出が確認されたが、HAP群では検知限界以下(0.1ppm)を示し、チタン金属溶出が有意に抑制されていることも明らかにされた。 3.ねじ型インプラントによる追加実験 HAP薄膜加工インプラントの組織形態学的な観察に加え、生体力学的な安定性の向上性を確認するためにねじ型インプラントを2の実験と同様に家兎に埋入し、現在、組織標本作製と分析を継続している。
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