研究課題/領域番号 |
12558110
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
岡元 孝二 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (40122618)
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研究分担者 |
前田 衣織 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (50311858)
甲斐原 梢 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (90080564)
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キーワード | エラスチン / 分子集合 / 脱集合 / 薬物放出制御システム |
研究概要 |
本研究は平成12年度〜14年度の3年間の研究計画によって構成されている。平成14年度の計画は、(1)薬物放出制御マトリックスの分子集合体による液滴形成の最適化、(2)薬物放出制御マトリックスの分子集合体液滴への薬物の取り込み挙動、(3)薬物放出制御マトリックスの微粒子製剤の作製、(4)薬物放出制御マトリックスの微粒子製剤からの脱集合による薬物放出挙動の検討であった。3種の薬物放出制御マトリックスの基盤となるVal-Pro-Gly-Val-Gly配列と抗血栓性のVal-Gly-Val-Ala-Pro-Gly配列の混合の割合を昨年度と同様に検討した。昨年度はVal-Gly-Val-Ala-Pro-Gly配列に対してVal-Pro-Gly-Val-Gly配列を10倍量、50倍量導入したポリペプチド(hp10及びhp50)を作製して、自己集合に基づく液滴形成に及ぼす効果を検討したところ、液滴開始温度が約50であり、液滴数の少ない結果が得られたため、今年度はVal-Gly-Val-Ala-Pro-Gly配列に対してVal-Pro-Gly-Val-Gly配列を100倍量、500倍量に導入量を増やしたポリペプチド(hp100及びhp500)を作製して、自己集合に基づく液滴形成に及ぼす効果を検討した。その結果hp100は昨年度と同様の結果を与えたが、hp500では液滴数の著しい増加が認められ、hp500の薬物放出制御マトリックスとしての有用性が示唆された。そこで時間経過とともにAsnがAspに変換するペプチド配列Gly-Ser-Asn-His-GlyをVal-Gly-Val-Ala-Pro-Gly配列に対して同量、Val-Pro-Gly-Val-Gly配列をVal-Gly-Val-Ala-Pro-Gly配列に対して500倍量導入したポリペプチド(hpn500)を作製し、自己集合に基づく液滴形成に及ぼす効果を検討した。その結果hpn500はhp500とほぼ同じ滴開始温度や液滴数を示したが、hp500が完全可逆的自己集合特性を示したことに対してhpn500は不完全可逆的な自己集合特性を示した。
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