研究課題/領域番号 |
12558115
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
仲本 博 川崎医科大学, 医学部, 助手 (10299183)
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研究分担者 |
矢田 豊隆 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00210279)
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10152365)
梶谷 文彦 岡山大学, 医学部, 教授 (70029114)
山森 伸二 日本光電工業(株), R&Dセンター, 部長
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キーワード | 糸球体毛細管 / 血流動態 / 高速度CCD生体顕微鏡 / 腎微小循環 / 速度マッピング |
研究概要 |
腎は心拍出量の20%もの血流によって灌流され、1側腎に約100万個存在する糸球体毛細管から1分間に約100mlの原尿が濾過されており、生命維持にとって最もcriticalな臓器である。しかし、腎糸球体のin-vivo観察は大きく制約され,これまでは水腎症など病的モデルや糸球体が表在化する特殊なラットモデルによる解析に限られ、生理的状態での観察は不可能であった。 最近,我々の研究グループは日本光電(株)と共同でCCD生体顕微鏡を開発し,世界で初めて心筋内微小血管の可視化に成功し、それを応用してイヌ、次いでヒトにおける腎内微小血管のin-vivo観察に成功した。今回、我々は原尿を濾過する装置である糸球体毛細管血流の可視化し、ラットモデルを用いて病態生理学的研究を行なわんとした。血行動態可視化のためには、特に高速度撮影が可能な腎専用のペンシルレンズ型CCD生体顕微鏡が必要となる。 本年度は、糸球体内血流速度分布計測用ソフトウェアの作製を進めた。動画像の時空間像を作成しウィンドウ間の相関分析より局所血流速度を求めるプログラムを開発した。この評価に、従来型のCCD生体顕微鏡により得られた画像を適用し、その有効性を確認した。ビデオ画像の赤血球に着目し、糸球体の毛細管に直線状の関心領域を設定し、この直線に沿った時空間像を作成すると通常は、斜めの縞状の像が得られる。 この、射線の角度が赤血球の速度を反映したものとなる。移動距離の計算により、速度ベクトルが求められる。糖尿病ラットにおける糸球体内での血流速度は、コントロールに比して遅いことが、この方法により明らかとなった。
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