研究課題/領域番号 |
12558116
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研究機関 | 鹿児島工業高等専門学校 |
研究代表者 |
須田 隆夫 鹿児島工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (10163031)
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研究分担者 |
宮田 千加良 鹿児島工業高等専門学校, 電気工学科, 助教授 (80229864)
池田 英幸 鹿児島工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (80113413)
赤澤 正治 鹿児島工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (40141965)
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キーワード | 走査型プローブ顕微鏡 / 磁気力顕微鏡 / 電気伝導度 / 赤血球 / 細胞モデル / 計算機シミュレーション |
研究概要 |
本研究は、生体細胞や蛋白質等の3次元イメージング法として、核磁気共鳴マイクロスコピー(MRFM)の可能性に着目し、従来から計測されてきた、プローブ顕微鏡による表面形状測定、局所粘弾性、さらには電気伝導特性などのデータを元に、計算機処理により3次元画像を構成しようとする試みである。初年度に引き続いて、(1)液中AMF測定における局所電気伝導度測定のためのプローブの開発、(2)電気的特性と磁性を考慮した、マイクロ生体モデルについての検討、(3)常磁性物質を含む生体試料の磁気力顕微鏡(MFM)観察、を行った。(1)については、液中にある細胞について電気化学STMによる、細胞の局所電気伝導、誘電特性の測定を行うために、先端部分のみ導電性を持たせたプローブが必要であり、初年度に引き続いて、導電性カンチレバー表面に樹脂をコーティングし、先端部分の樹脂を収束イオンビーム(FIB)により除去する方法と、低抵抗シリコンカンチレバーを熱酸化し、先端部分をエッチングする方法について検討した。現在のところ、いずれの方法においても測定に使用可能なプローブは得られていない。2)電気伝導性、誘電性、磁性を考慮したマイクロ生体モデルの構築については、周囲電解質、細胞膜、細胞質を単純な無限大層状構造とし、細胞質層に電気伝導度の異なる球状体が埋め込まれたモデルについて、誘電体理論による近似により、プローブによる局所インピーダンスがどのように変化するの予想を行った。(3)については酸化鉄コアを含む鉄貯蔵蛋白質フェリチンを試料として、磁気力顕微鏡(MFM)の感度および分解能の評価を行った。その結果、数10nmの蛋白質クラスターにおいて、磁性変化の検出の可能性が確認できた。一方、現在のMFMカンチレバーでは磁性膜コーティング層の厚さから先端径が50nm程度であるため、空間分解能は制限される。
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