研究課題/領域番号 |
12559001
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
尾鍋 史彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40012025)
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研究分担者 |
日吉 公男 静岡県, 富士工業技術センター, 主任研究員
江前 敏晴 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40203640)
磯貝 明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40191879)
深沢 博之 静岡県, 富士工業技術センター, 技師(研究職)
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キーワード | 不織布 / ウォータージェット / 繊維配向 / パルプ / マニラ麻 / 引張強度 / 摩擦係数 / 紙 |
研究概要 |
セルロース・紙系素材として木材パルプ及びマニラ麻パルプを原料として用い、手抄きによりシートを調製した。静岡県富士工業技術センターにあるウォータージェット(WJ)処理装置に手抄きシートを網ごと通過させ、各種条件下でWJ処理を行ない、湿式不織布を調製した。WJ不織布の特性を備品として購入した摩擦感テスターを用いて摩擦係数、摩擦係数の分散を計測した。さらに不織布の構造と使用において問題となる引張力学物性を計測した。具体的な結果の概要を以下に記す。 (1)エックス線回折図の解析からWJ不織布の繊維はMD方向に配向することが分かった。また孔の形状は長円形状となる。 (2)力学強度はWJ未処理に比べMDで約50%、CDで約70%低下した(マニラ麻の場合)。 (3)不織布調製条件との関係ではウォータージェット処理水圧の増加、ノズルプレート角度の減少に伴いMD方向への配向が大きくなる。サクション(吸引)効率が影響していると考えられる。 (4)パルプの種類やWJの水圧によらず摩擦係数はほぼ一定であったが、ざらつき感を示す摩擦係数の分散はWJ水圧によって差があった。 (5)引張り変形を与えた不織布の表面の連続画像から変形の動的過程が明らかになりつつある。 以上、初年度の当初の計画をほぼ達成し、次年度以降の計画の具体化の見通しが立った。
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