研究課題
基盤研究(B)
対流圏全層の乱流変動、乱流フラックスの観測システムの開発:対流圏全域の風速、温度、湿度、雲物理量(雲粒等)とそれらの乱流変動及びフラックスの測定法の確立を目的とした。本年度(3年度目)は、レーザーレーダによる上部対流圏、下部成層圏の温度の時間変動計測から、熱フラックスと温度変動強度とその消散率の計測を可能にした。全期間(3年間)の成果として、大気境界層とその上空(上部対流圏、下部成層圏)について、運動量、熱、水蒸気の鉛直フラックスとそれらの変動強度、消散率の測定が可能になった。本観測システムは、今後、雲の生成、発達過程の研究に適用する予定であるが、本年度は晴天時について上部対流圏、成層圏での拡散機構の解明を目的とした観測を実施した。自由大気中の拡散機構の研究:大気境界層では、いわゆる「乱流組織構造」に伴う流体運動によって拡散が起こるが、上部対流圏、成層圏では、内部重力波の砕波によって拡散が起こると考えられる。しかし、この拡散機構についての観測は殆どなく、理論はまだない。本研究では、上記観測システムを用いて、運動量、熱、水蒸気の鉛直フラックスと風速、温度、湿度の鉛直勾配から運動量、熱、物質の乱流拡散係数を直接求め、乱流拡散係数に及ぼす密度成層効果を検討した。変動強度や消散率などの乱流統計量の観測値を用いて、種々の乱流モデルの適用性を検討した結果、いわゆる「代数型乱流ストレスモデル」が観測結果をほぼ説明できることが明らかになった。k-εモデルなど、乱流の異方性が考慮していない乱流モデルの適用性には無理がある。
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