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2000 年度 実績報告書

小型放射光を用いた真空紫外円二色性分散計の開発と生体分子構造解析への応用

研究課題

研究課題/領域番号 12559007
研究機関広島大学

研究代表者

月向 邦彦  広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10023467)

研究分担者 大前 英司  広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30284152)
片柳 克夫  広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20291479)
谷口 雅樹  広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10126120)
深沢 知行  日本分光株式会社, 第一技術部, 技術担当マネージャー
尾島 典行  広島大学, 医学部, 助手 (20311805)
キーワード小型放射光 / 真空紫外円二色性分散計 / 生体分子構造解析
研究概要

タンパク質,核酸,多糖類などの生体物質の高エネルギー遷移に基づいた構造解析を可能にするため,広島大学放射光科学研究センターのビームライン15の建設と,真空および水溶液中で310〜140nmの波長領域で円偏光二色性スペクトルが測定可能な真空紫外円二色性分散計(VUVCD)の開発を行った。光吸収による放射光強度の減少を防ぐため,光学系をすべて高真空にし,同期整流増幅装置(lock-in amp)の安定性や真空中での光弾性変調子の位相変調を向上させるため光サーボリファレンス方式を採用した。また,高真空下で水溶液を保持できるMgF_2光学セルの開発を行った。これらの装置が正常に作動することをoff-line実験で確認し,速報誌Chem.Lett.,832(2000)に報告した。さらに,これらの光学システムをビームライン15に設置し,標準試料(カンファースルホン酸)のスペクトルを310〜140nmの波長領域で測定した結果,290nmと192nmでの強度比が2:1で,190nm以上の波長では,市販のCD測定装置で測定したスペクトルと一致した。また,数種のアミノ酸の光学異性体(D体とL体)のスペクトルが全波長領域で正負対象なスペクトルを示すことを確認し,本装置の有効性が示された。さらに,いくつかのアミノ酸とともに,タンパク質や糖類のVUVCDスペクトル測定に世界で初めて成功した。このように,放射光を用いたVUVCD装置の開発に成功し,生体高分子の構造解析への実用化の見通しが立ち,本研究課題の第一目標を達成できた。しかし,現在のシステムではまだノイズが大きいので,その対策が今後の課題である。また,本年度に計画していたペルチェ素子付温度可変セルの開発は,まだ試作の段階であり,次年度に完成を目指す。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Noriyuki Ojima: "Vacuum-ultraviolet circular dichroism spectrophotometer using synchrotron radiation : Optical system and off-line performance"Chemistry Letters. 832-833 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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