研究課題/領域番号 |
12571002
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
服部 等作 広島市立大学, 芸術学部, 教授 (50218509)
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研究分担者 |
中嶋 猛夫 女子美術大学, 芸術学部, 助教授 (30245922)
宮坂 敬造 慶応義塾大学, 文学部, 教授 (40135645)
星野 紘 東京国立文化財研究所, 芸能部, 部長 (30311161)
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キーワード | チベット / 蔵族 / 工芸 / 芸能 / 雲南省 / ヒマラヤ / 踊り |
研究概要 |
1.地域の文化社会的状況の調査: 平成12年8月、少数民族である蔵族における工芸美術の現状を把握するため、中国雲南省・青海省の対照的地域で予備調査をおこなった。その結果、各地域の藏族文化の様式には地域差があり、同時に各地域は、蔵族文化の中心地である西蔵自治区ラサの仏教工芸美術、寺院芸能からの強い影響を継続して受け続けていることがわかった。 平成13年1月、雲南省迪慶藏族自治州奔子欄郷にて春節(旧正月)の藏族によりゴージョアンと呼ぶ輪踊りについて日本初の調査を行った。その結果、今後の研究の必要性として、現地の静態的様相を有する工芸美術、書画図像の記録には高精細的で静止記録の必要性、さらに動態的様相において輪踊りや工芸品の製作工程の調査の記録には立体的で動的把握の必要性という合い矛盾する検討とその解決の必要性が生じた。 一方静態的-動態的な二つの様相を調査するに当たり、写真、VTRの撮影許可を調査対象となる仏教寺院、収蔵品、僧侶などから得ることが困難という問題点がある。2回にわたり調査した地域でも、工芸の大部分を占める像、荘厳具、衣装、ならびに動態的様相をもつ寺院、民間芸能のなかの工芸資料などは、文化財であると同時に信仰対象として今なお機能しているため、撮影許可を得るのは困難であり、また撮影する条件が期間、器材、人員面で非常に限定される。 従って今回部分的に撮影した日本最初の映像記録そのものが非常に貴重な価値を有する結果を得た。 2.調査結果と記録の検討: 上記の調査期間中に雲南省博物館、雲南省迪慶藏族自治州博物館、ならびに上海博物館大英博物館,ビクトリアアルバート美術館,ギメ東洋美術館の蔵族に関係する収蔵品の調査をも実施し、記録をとった。その結果、蔵族文化の工芸美術調査から、その記録保存のコンテンツと基礎的内容を検討することができた。
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