研究課題/領域番号 |
12571006
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡田 康伸 京都大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (90068768)
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研究分担者 |
秦 真理子 京都大学, 大学院・教育学研究科, 助手 (30324594)
藤原 勝紀 京都大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (80091388)
東山 紘久 京都大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (80030435)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 箱庭療法 / 箱庭制作プロセス / 事例的検討 / 小学生 / 中学生 / ビデオ記録 / 質問紙記録 / オーストラリア |
研究概要 |
箱庭療法は、心理療法の一技法としてその有効性が指摘されているが、これまでは完成された作品としての箱庭を対象とした研究が多く、これに対して今回は、箱庭を制作するプロセスそのものに治療的な意味があるとの観点から、この箱庭制作プロセスについて探索的に資料を収集することを目的として調査を行った。また、岡田ら(1988)の先行研究に基づいて、日豪の比較研究を行うことも目的とした。 箱庭制作プロセスの資料収集のため、平成12年度には小・中学生を対象に箱庭を施行した。また平成13年度には、これらのデータを元に、一つ一つの作品について作品の印象や制作プロセス・制作者の内観を辿り、連想や考察を深めていくことを丹念に行った。最終的には、(1)箱庭作品の特徴についての数量的検討、(2)作品の全体印象からの箱庭制作の検討、(3)中学生に対して制作後に行なった質問紙の内容を手がかりとした箱庭表現と言語表現との関わりの考察、(4)制作時に得られたビデオ記録から箱庭制作プロセスにおける玩具の動きをグラフ化する試みとその事例的検討の4点について考察を行った。 またオーストラリアにおいては、現地での大学の協力を得て、小中学生との箱庭制作のデータを得るために交渉を続けたが、上手くいかずデータを得ることができなかった。原因としてはプライバシー意識の相違、オーストラリアにおける箱庭療法の認知度の低さなどが考えられる。このような経験より、日豪比較という視点については、調査を行う土地の選択・比較方法など検討の余地が多く残されていることが明らかになった。なお、大学、重度言語障害児学校においては調査を行うことが出来、それぞれについてそのプロセスを事例検討会で吟味し、考察を行った。こういった経験をもとにさらに探索的にオーストラリアでの箱庭療法・箱庭制作プロセスについて検討を重ねていきたい。 以上の内容を研究成果報告書としてここに提出する。
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