研究課題/領域番号 |
12571010
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
若林 満 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (40126917)
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研究分担者 |
中井 俊樹 名古屋大学, 高等教育研究センター, 助手 (30303598)
岡田 亜弥 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 助教授 (00313982)
大塚 豊 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (00116550)
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キーワード | カンボディア / 教育開発 / 中等教育 / 理数科教育 / 女子教育 / 識字教育 / 農村開発 / 万人のための教育世界会議(EFA) |
研究概要 |
本研究は、カンボディアにおける中等教育開発計画に関連して、同国の人材育成の在り方を実証的に明らかにすることを目的としている。カンボディアは「万人のための教育」(EFA) 世界会議での宣言に呼応して、2000年までに基礎教育普遍化を達成することを教育計画の中心的課題としてきた。しかし昨年度の報告書で述べた通り、EFA最終年の2000年時点で見ると、その成果は当初の計画目標値とかなりかけ離れた結果となっている。中等教育は、長い内戦で消失した、中堅実務人材を育成することに向けられているが、2001年から始まった第2段階のEFAでは、上記の結果を踏まえ、初等教育の量から質への向上に加えて、中等教育(特に前期中等教育)の充実が唱われている。 平成13年度においては、中等教育人材育成の鍵となる教育内容(カリキュラム)と教授法及び教員養成・訓練システムに関する実態調査研究が行なわれた。調査のテーマとして、理数科の教科を中心に中等教育カリキュラム及び教授法についてのデータ収集を行なうことが設定され、中等教員養成プログラムの問題点について、高等学校教員養成校及び地方中等教員養成学校を対象に、アンケート及び聞き取りによる調査が行われた。この調査のため、研究代表者は平成13年7月-8月にかけ、カンボディア教育省、教育研究所、高等師範学校(FOP)を訪問し、中等教育カリキュラムの考え方、カリキュラム及びシラバスと教科書内容、カリキュラムに沿った教師訓練等に関し、関連資料の収集と聞き取りを行なった。これらのマクロの教育目標の達成状況、及び教育政策レベル分析結果は、若林満・加藤徳夫(2001)論文にまとめられた。また同様な論文は英文論文(2002)としても執筆された。また、カンボディア中等教育の戦略的開発計画の在り方を探るため、ネット・バロン教授との協力を得て、高等師範学校での中等理数科教育充実に向けての調査がおこなわれた。調査の結果については現在集計と分析が行われている。この調査には、大塚豊教授も参加し実質的な指揮をとった。 一方、研究代表者は岡田助教授とともに、カンボディア教育省を中心に、女性省及び農村開発省、国際NGOを訪問し、農村教育と農村開発をテーマとした聞き取り調査を行った(平成13年7月)。調査の中心的な関心は農村女子の識字教育の現状分析であり、政府関係資料の収集と聞き取り調査が行われた。加えて、農村部での識字教室の調査とその生徒(農村女性)を対象とした識字調査が実施された。この調査には大学院生も研究の一貫として参加し、現在彼等の協力を得てデータの分析が行われている。更に、カンボディア教育省Sam Sereyrath教育局長が、別プログラムで本大学院を 10月に訪問した際に、この期を捉えて本研究テーマに関し共同研究を行い、英文による論文を執筆することができた。
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