研究課題/領域番号 |
12571016
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木村 秀雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10153206)
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研究分担者 |
友枝 啓泰 広島市立大学, 国際学部, 教授 (40008636)
網野 徹哉 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60212578)
上田 博人 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (20114796)
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キーワード | 先住民共同体 / スペイン語のバリエーション / アンデス的シンボル / 異端審問 / 移住民の世代差 / ポピュラーカルチャー |
研究概要 |
本格的調査研究の準備期間と位置づけた本年度は、調査に向けた資料調査および予備的な野外調査を実施した。各研究者の調査活動およびその成果は、以下のとおりである。 1 代表者 木村 ペルーのクスコ市周辺およびボリビアのスクレ市周辺の農牧業地帯において、これまで代表者が実施してきた調査にもとづいて分析した先住民共同体・混血小規模農家の社会経済状況から変化を測定し、来年度調査の実施計画を策定した。本年度明らかになったのは、最近の経済停滞と外部からの援助の浸透によって、共同体の枠組みと意味が大きく変化していることである。 2 分担者 上田 ベネズエラのカラカス市、コロンビアのボゴタ市、パラグアイのアスンシオン市、ウルグアイのモンテビデオ市において、現地研究機関・研究者と接触し、南アメリカにおけるスペイン語のバリエーションの総体的枠組みの設定に努めた。来年度の調査に向けて、南アメリカのスペイン語にはスペインのスペイン語に比較した際に、共通したパターンを示すと同時に地域的変異が大きいことが確認できた。 3 分担者 網野 今年度は海外に渡航せず、従前からの研究テーマであるペルーのリマ市におけるアンデス的社会文化要素・先住民文化要素の影響を判定するため、異端審問記録の解析を進めた。インカなどの先住民起源のアンデス的シンボルは、植民地化以後先住民共同体において抑圧されたにも関わらず、都市においてはその意味をずらしながら利用されるようになったことが明らかになった。 4 分担者 友枝 ペルーの首都リマ市、北部海岸のトゥンベス市、南部高地のクスコ市において、先住民社会・文化の都市への流入と定着のプロセスを判定できる調査分野の確定をめざし、それぞれ短期間の調査を実施した。アンデス的要素の都市における位置を測定するためには、移住第一世代と第二世代以降を区別すること、また上記の位置の確定にはポピュラーカルチャー等の分析を進める必要があるとの認識に達した。
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