研究課題
基盤研究(B)
平成12年度から14年度の間に、モンゴル、ヒマラヤ地方(ネパール、ブータン)、中央アジア(ウズベキスタン、カザフスタン)で調査を実施した。モンゴルでは、社会主義経済から市場経済に移行したことによって社会が大きく変動し、それが環境にも影響を与えているが、その実態を文化人類学、経済学、(気象学、草地学を含む)環境などの調査を行うことによって、さまざまな側面から解明した。調査地域は、首都ウランバートル、ウランバートルに近いトゥブ県、地方のドントゴビ県、ドルノト県、さらに少数民族が居住するフブスグル県、ホブド県、バヤンウルギー県などである。都市では消費経済が急速に進み、遊牧社会では家畜の私有化による劇的な変化が、主要民族のモンゴル族の遊牧社会だけでなく、モンゴル西部のカザフ族(ホブド県、バヤンウルギー県)、トナカイ遊牧を行う北部のトゥバ族(フブスグル県)でも起こっている。また、近年ひんぱんに起こっている雪害などの自然災害の被害拡大も社会体制の変化と関連している。ネパールでは、ヒマラヤのソル地方における森の利用と政策の変化、カトマンズ盆地における都市の環境システムとその変化について調査を行った。また、ブータンでは、自然環境とくに氷河地形とその変化、及び伝統的環境利用・保全システムの調査を行った。ウズベキスタンとカザフスタンでは、1991年の独立後の市場経済化過程における社会変化の実態を調査した。また、独立後のカザフスタンのカザフ化政策によって、モンゴルからカザフスタンに移住したカザフ族の生活の実態などについて調査を行った。
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