研究課題/領域番号 |
12571021
|
研究機関 | 大阪国際女子大学 |
研究代表者 |
佐島 隆 大阪国際女子大学, 人間科学部, 助教授 (40192596)
|
研究分担者 |
寺島 憲治 千葉大学, 文学部, (非)講師
上岡 弘二 東京外国語大学, AA言語文化研究所, 教授 (80014512)
|
キーワード | アイヴィー / ベクタシ / イスラムとキリスト教 / スーフィズム(神秘主義) / 聖者廟 / 聖地 / 参詣・巡礼 / 春季祭・秋季祭 |
研究概要 |
南ブルガリア・カルジャリ地方のアレヴィー諸集落における春季儀礼、秋季儀礼に関する聞き取り調査などにより、イスラム文化とキリスト教文化の重層性あるいは複合性について、明らかにした。南部ブルガリア地方(ダヴィドコヴォ村など)におけるイスラム聖者廟に関する聞き取り調査を実施し、空間的な配置、象徴的な意味空間の構造などを明らかにし、数か村を結ぶシステムについても検討した。またソフィアおよびヴェルコ・タルノヴォ国立文書館において文献調査と収集を行い、ブルガリア人研究者と学術交流をした。トルコにおいては、ハジベクタシ村において聖者ハジ・ベクタシ・ヴェリの記念祭に参加し、実態調査をした。ハジ・ベクタシ・ヴェリなどの聖者廟やその関連諸施設とそれへの参詣者、巡礼についての調査を実施した。それにより聖地としての構造、象徴的な意味構造、儀礼の実態などを明らかにした。そしてジェム儀礼、社会的組織、神秘主義的意味などの調査、聞き取りを実施し、ビデオへの記録もおこなった。アンカラ、イスタンブル、イズミルにおいて文献資料や政治、社会、歴史と関連する資料収集をした。関連する研究者との意見交換、学術交流をおこなった。都市におけるアレヴィー=ベクタシの活動、協会(活動根拠地)の実態調査、聞き取りをした。それにつき持続的に調査できる研究協力者に依頼し、制度面の報告を得た。これによりアレヴィー=ベクタシの政治的側面および現代都市における制度的な活動を知ることができた。この春の聞き取りなどの調査から、エスキシェヒル、アンカラなど複数の県にまたがる広域的なアレヴィー諸集落の約30か村を結ぶ「筋」が明らかになってきた。さらに調査が必要である。
|