研究概要 |
今年度は、主にフランス、ブルターニュ地方のパルドン祭りに関する調査と情報収集を行った。主な調査地は次の13地区である。 Gouesec,Sainte-Anne-la-Palud,Querrien(Finistere),Calan,Tremargat,Saint-Jean-du-Doigt,Plouvien,Locronan,Le Folgoet,Querrien,Sainte-Anne-d'Auray,Pleyben、Gouesnou. このうち、Gouesec(8/15),Querrien(Finistere)(8/20),Sainte-Anne-la-Palud(8/26〜29),Le Folgoet(9/2〜3)において、関係者へのインタビュー調査のほか、写真とビデオによる祭りの記録撮影を行うことができた。 民俗信仰と創唱宗教の習合という視点から、これら各地のパルドン祭りの特徴に注目すると、プロセシオンにおいて、教会の周りをまわるだけでなく、聖なる泉水をめぐるタイプ、'tantard'と呼ばれる聖なる火をたくタイプ、'menhil'と呼ばれる聖なる石をめぐるタイプ、聖なる領域の境界をめぐるタイプなどへの分類が可能との見通しがでてきた。 次年度は、このパルドン祭りの分類案をもとに、Saint-Jean-du-Doigtの火のパルドンとLocronanのトロメニーとの調査を集中的に行うこととし、パルドン祭りにみる民俗信仰と創唱宗教の習合についての研究を進める。また、それとともに、プロヴァンス地方、リムーザン地方、ピレネー地方の祭礼を中心とした民俗の情報収集も分担しながら実施していく予定である。
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