研究概要 |
昨年度に引続き、フランス、ブルターニュ地方におけるパルドン祭の調査を行った。昨年度パルドン祭のタイプを試みに、fontaine型(聖なる泉をめぐるタイプ)、tantad型(火をたくタイプ)、menhir型(聖なる巨石をめぐるタイプ)、tromenie型(聖なる道をたどるタイプ)、という4つのタイプに分類した。そのうち、2000年度にはfontaine型のパルドン祭の調査を集中的に行ったが、2001年度はtantad型とtromenie型の調査を集中的に行った。 tantad型:夏至にtantadと呼ばれる柴塚を築いて燃やすタイプのパルドン祭に注目した。ブルターニュ西部に位置するFinistere県においては北部海岸地域から内陸部にいたってこの習俗が存在していること、また西部海岸地域にも点在すること、などがわかった。今回の主な調査地はSaint-Jean-du-Doigt, Loudeac, Quelven, Bonen, Locronan, Beuzec-Cap-Sizum, Mur-de-Bretagneなどである。 tromenie型:現在、ブルターニュ地方におけるtromenieはLocronan, Landeleau, Gouesnouの3地点で行われている。そのうち、Locronanでは2001年7月7日から15日にかけて6年に一度のgrande tromenieが行われた。この期間中、実際にpelerinageに参加しながら詳細な現地調査を行うことができた。また研究協力者であるDonatien Laurent教授(プレスト大学)とはLocronanのtromenieの解釈をめぐり、ブレスト大学とその後の日本での(10月14日から21時まで招聰)計2回の研究会において討議した。 なお、ブルターニュ地方に加え、メンバーで分担して、南部プロヴァンス地方と東部アルザス地方の祭礼に関する民俗調査もそれぞれ1ヵ月ずつ実施し、情報収集を行っている。
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