研究課題/領域番号 |
12571024
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
阿部 健一 国立民族学博物館, 地域研究企画交流センター, 助教授 (80222644)
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研究分担者 |
田中 耕二 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (10026619)
桜井 弓躬雄 東京大学, 大学院・人文社会系, 教授 (80115849)
海田 能宏 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (00026452)
柳澤 雅之 京都大学, 東南アジア研究センター, 助手 (80314269)
足立 明 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (90212513)
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キーワード | 開発言説 / メコン流域 / グローバリゼーション / 地域研究 / 環境 / 開発 / 国際河川 / 歴史的構築 |
研究概要 |
研究会を主体とした前年度と異なり、今年度は、シンポジウムの開催のためのネットワークつくりと研究分担者による現地調査が中心となった。 メコン流域開発は、国家・地域(あるいは援助する側)により目指す方向がさまざまである。またメコン川委員会のほか、工学・環境保全・人権・国際問題・社会学・人類学など関心のことなる多くの機関・組織が関わっている。開発の主体もさまざまであり、研究分担者・足立の指摘するように、開発が経験的・実体的過程である前に、権力と知のアンサンブルの中で歴史的に構築された言説の束である典型的な例であるかもしれない。 このことを念頭におきつつ、開かれるべきワークショップとシンポジウムを再構成し、開催に向けてネットワークつくりを行った。ひとつは比重を増す中国(雲南)の関与に焦点をあてることである。雲南理工大学・地域発展研究所と雲南大学・歴史人類学系およびアジア国際河川研究センターと密接な連携関係をとることができた。メコン川委員会への参画を見据えた中国の現状と今後の動きは無視できない。 もうひとつの焦点は歴史の重視である。開発が「歴史的に構築された言説の束」だとすると、メコン流域開発を時代区分し、ぞれぞれの時代の権力関係、言説的な修辞、そしてそれを支える諸制度を明らかにする必要がある。研究分担者が今年度おこなった現地調査は、いわゆる人類学的・社会学的な臨地調査ではなく、これまでに欠けていた関係論的な視点で開発の歴史を読み解く調査に終始した。
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