太平洋島嶼部住民の移民経験に関する文化人類学的研究

2003 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 12571025
• 研究機関: 一橋大学
• 研究代表者: 清水 昭俊 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (30009758)
• 研究分担者: 関根 久雄 筑波大学, 社会科学系, 助教授 (60283462) ; 中原 ゆかり 愛媛大学, 法文学部, 教授 (00284381) ; 棚橋 訓 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (50217098) ; 風間 計博 筑波大学, 歴史・人類学系, 助教授 (70323219)
• キーワード: 太平洋島嶼国 / オセアニア / 労働移民 / 文化変化 / 多文化主義 / 民族摩擦 / 日系移民 / 先住民

研究概要

本年度は、全4年計画で行なう本研究の全体計画の中で、最終年度に当たり、過去3年間に行なった実地調査の総括を行い、調査成果を主資料源とする研究報告書の作成を主要な研究活動とする。
本科研費研究によって調査研究を行ったのは、代表者、分担者4名、および研究協力者2名(伊藤泰信、黒川洋子)である。これら本研究メンバーは9月末を目途に、報告書原稿の作成に努力した。当初、一橋大学において研究打合会を開催することを計画したが、メンバーの本務の事情により、開催することを得なかった。また、多忙を極めた本務、研究計画上より優先すべき研究課題との重合などの事情により、全てのメンバーが研究成果報告書に参加することを得ず、6名による7編の論文により研究成果報告書を構成し、印刷した。さらに、利用の便宜を考慮して、研究成果報告書と同一内容の論文集をB5版で印刷し、国内主要大学図書館に寄贈した。

研究成果

• [文献書誌] 中原ゆかり: "ハワイ日系人のボン・ダンスとネットワーク-モロカイ島の事例を中心に"民俗音楽研究(日本民俗音楽学会). 28. 49-61 (2003)
• [文献書誌] 関根久雄: "紛争以後-ソロモン諸島と国民的アイデンティティのゆくえ"佐藤幸男(編)『太平洋アイデンティティ』(太平洋世界叢書2),東京:国際書院. 121-142 (2003)
• [文献書誌] 関根久雄: "紛争と『コンペンセーション』-なぜソロモン諸島政府は支払うのか?"山本真鳥, 須藤健一, 吉田集而(編)『オセアニアの国家統合と地域主義』(JCAS連携研究成果報告書6),国立民族学博物館地域研究企画交流センター. 189-208 (2003)
• [文献書誌] 風間計博: "悲劇的歴史の記憶と血の共有-バナバ人とキリバス人の差異および連続性"山本真鳥, 須藤健一, 吉田集而(編)『オセアニアの国家統合と地域主義』(JCAS連携研究成果報告書6),国立民族学博物館地域研究企画交流センター. 67-94 (2003)
• [文献書誌] 伊藤泰信: "システムのカップリングについて-宗教システムとその環境"九州人類学会報(九州人類学研究会). 30. 59-62 (2003)
• [文献書誌] 伊藤泰信: "ニュージーランド先住民における学と宗教-ゼマンティークとシステム分化形態との相関"九州人類学会報(九州人類学研究会). 30. 81-87 (2003)
• [文献書誌] 伊藤泰信: "『マオリ個別の知』の発現と伝達"前川啓治, 棚橋訓(編)『オセアニア』(ファースト・ピープルズ、第9巻),東京:明石書店. (印刷中).
• [文献書誌] 風間計博: "窮乏の民族誌-中部太平洋・キリバス南部環礁の社会生活"大学教育出版. xiv+325 (2003)