研究課題/領域番号 |
12571026
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
庄司 博史 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 教授 (80142016)
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研究分担者 |
三島 禎子 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 助手 (20280604)
南 真木人 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 助手 (40239314)
小倉 充夫 津田塾大学, 文芸学部, 教授 (40055322)
高畑 幸 大阪市立大学, 日本学術振興会 特別研究員
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 移民 / ネットワーク / トランスナショナル / 送り出し社会 / 受け入れ社会 / 言語継承活動 / エスニックビジネス / グローバル化 |
研究概要 |
国際社会における人の移動は、社会経済全体のグローバル化や移動・通信手段の発達によって多様な展開をみせる。移民は受け入れ社会への受動的な参入や自己隔離ではなく、エスニックグループや同胞とのトランスナショナルなネットワークを基軸にして、より主体的に受け入れ社会への関わりを深めている。 本研究ではヨーロッパ、アフリカ、日本を含むアジアにおける移民の出身地と定着地を往還する現地調査を実施し、ミクロなレベルに現れる移民の能動的な実践、すなわち自存戦略と多様な形態をもつトランスナショナル・ネットワークを調査した。具体的には、在日及び在フィンランド・ベトナム人(庄司)、南アフリカ及びザンビアの移民(小倉)、在日ネパール人(南)、アジアに移動するソニンケ人(三島)、在日及び在オーストラリア・フィリピン人(高畑)、在フィンランド日本人(ランシサルミ)を対象として、各研究者が経済(資本のグローバル化)、歴史(植民地支配と世界システム)、言語、ジェンダー、アイデンティティなどの論点から、グローバルなネットワークの個々の実情と特徴を研究し、主題に総合的にアプローチした。 個々の知見は『研究成果報告書』に譲るが、全体として移民は、グローバル化のなかで曖昧になるエスニシティや拡散する個別性をあえて積極的な戦略として、経済的、社会的、文化・精神的な活力の基盤に用いていることが示された。また、そうして作られたネットワークは、送り出し社会と受け入れ社会をつなぐ双方的な関係から、複数の国家にまたがる多元的な関係に拡大していることが確認された。 今後の課題は、多極化する定着地をその国家史ならびに移住史と移民政策に目配りしながら比較研究していくことであろう。
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