研究課題/領域番号 |
12571029
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
荒川 正晴 大阪大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (10283699)
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研究分担者 |
片山 章雄 東海大学, 文学部, 助教授 (10224453)
町田 隆吉 桜美林大学, 国際学部, 助教授 (50316923)
關尾 史郎 新潟大学, 人文学部, 教授 (70179331)
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キーワード | トゥルファン / アスターナ古墳群 / 出土文書 / 伏義女〓図 |
研究概要 |
平成12年度の調査では、以下の諸点について新たな知見を得ることができた。 調査対象となる文書は、その多くは二次利用される形(被葬者の鞋・帽子・冠・ベルトなど)で墳墓に埋納されたが、発掘後の文書整理の過程が不明なため、現在、博物館に所蔵されている断片文書を再度、埋納された時の(つまりは出土直後の)状態に復元する必要がある。今回の調査では、冠の飾りとなっていたと見られる羽根様の断片文書が、本来それを4重に貼り合わせて厚紙にしていたことが明かとなったが、調査ではさらにそれがどのような順番で貼り合わされていたのか正確に復元した。その結果、既に発表されている諸文書の録文の前後関係を修正・確定することができた。 また天地が28cm前後、左右が30cm近くあるような公文書の反故紙であれば、そこから紙の鞋一足分の、馬蹄形をした鞋の両側面を裁断して取り出すことが可能であるが、さらに領収書のように左右が10cmに満たないような文書であれば、わざわざ横方向に何枚もそれを貼りついだ上で、馬蹄形に裁断して鞋の両側面にしていたことも明かとなった。 このほかにも、紙の片面に墨(朱や白色を交えて文様を為す場合もあり、この文様が葬具たる明器上のそれと同一)が塗られていたこと、また紙に折り跡が認められることなど、埋納前後における文書の機能をうかがうのに重要な様々な情報を獲得することができた。 他方、伴出布絹資料である伏義女〓図については、これまで本格的な実見調査は行われてこなかったが、今回の調査では多くの未公開資料を調査することができ、これまでの伏義女〓図の定説を大きく覆す発見があった。
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