研究課題/領域番号 |
12571037
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
言語学・音声学
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研究機関 | 文教大学 |
研究代表者 |
遠藤 織枝 文教大学, 文学部, 教授 (10203663)
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研究分担者 |
劉 頴 成城大学, 文芸学部, 助教授 (10307118)
桜井 隆 明海大学, 外国語学部, 助教授 (60255031)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 中国女文字 / 起源 / 保存 / 何艶新 / 謝志民 / 趙麗明 / 宮哲兵 / 女書文化村 |
研究概要 |
中国女文字の歴史と起源についてはまだ解明されていなくて、さまざまな議論が起こっている。中南民族大学の謝志民らは、甲骨文字と同じかそれ以上の歴史があると主張し、清華大学の趙麗明は宋代以降と考え、武漢大学の宮哲兵は清朝と考えている。 また、趙麗明は南京で発見された女文字の刻まれた太平天国の「銅貨」を、太平天国政府が発行した正式の銅貨であり、それにより、女文字の最も古い資料が得られたと主張している。 遠藤は、太平天国政府の発行した公文書の用語と、「銅貨」に刻まれた用字用語に関連性がみられないことと、太平天国研究の専門家の意見を徴した結果から、この「銅貨」は太平天国政府の発行によるものではないだろうと考えるに至っている。その考察を2002年11月に湖南省江永県で開かれた国際シンポジウムで発表した。 また、最近、現地政府などが、この文字が最も盛んに行われた上江墟鎮甫尾村に女書文化村を造り「女書学堂」を建てるなど、保存の動きが活発化してきた。政府の本当の狙いが観光開発にあることは明らかで、そのために真の保存に向かわないで、1部分が歪曲され誇張される危険が出てきた。同シンポジウムでは、政府の方針に対する危惧を表明し、この文字の最も伝統に忠実な伝承者である何艶新の文字の保存を訴えた。
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