研究課題/領域番号 |
12571038
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
西田 正規 筑波大学, 歴史・人類学系, 教授 (60088549)
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研究分担者 |
網谷 克彦 敦賀短期大学, 日本史学科, 助教授 (60249175)
木村 有紀 筑波大学, 歴史・人類学系, 講師 (00323220)
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キーワード | サバンナ / 石器時代 / セレンゲティ / 石器の分布 / GIS / 資源分布 / 資源環境利用 / 発掘調査 |
研究概要 |
平成12年8月から11月にかけて、分担者と協力者の延べ5名が現地調査を実施した。タンザニアのセレンゲティ国立公園内において、1×2メートルの広さのテストピット発掘を10ケ所において行い、地表面における石器分布とともに地下に埋没している石器密度の確認、石器の層位的堆積状況の確認、年代測定用資料の採集、堆積土壌観察などに関わるのデータを収集した。またこれとは別に、地表に散乱している石器密度調査を34ケ所において行った。これらの調査によって、およそ4000点の石器資料を採集して日本に持ち帰り、現在整理分析作業を進めている。 以上の調査の結果、1ケ所のテストピットでは、2メートル以上の深さにわたって多量の石器の堆積が確認できた。石器は下部になるほど大型化する傾向があり、後期石器時代から中期石器時代までの、数万年にわたる石器堆積である可能性が高い。これが確認できれば、後期石器時代から中期石器時代への文化変化の記録が保存されていることになり、またキャンプや焚き火跡など、当時の生活面を把握することも可能な、アフリカ大陸では希有な開地遺跡ということになる。またこの遺跡の近くにある泉には、乾期においてもしばしば地表水があり、キャンプ地として最適の立地環境を備えている。今回の発掘によって、このような立地環境が過去数万年にわたって存続していたことが推測できることが明らかになり、環境復元の重要な手がかりを得ることができた。
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