本研究は平成12〜15年度までの4カ年計画で日本と中国、韓国を中心とする東アジア地域における古代庭園について、発掘遺構を主たる対象として調査研究をおこない、同地域における庭園文化の系譜と伝播の道筋を明らかにすることを目的としている。 初年度である平成12年度は中国と韓国の発掘遺構について概要調査を行なった。調査した遺構は下記の12箇所である。 中国 西安市:前漢建章宮太液池・唐長安城大明宮太液池・興慶宮・華清宮・曲江池、洛陽市:上陽宮園池、偃師商城:王宮園池 韓国 扶余市:王宮跡方池・定林寺跡方池・宮南池、慶州市:雁鴨池・龍江洞園池 調査はできるかぎりそれぞれの遺跡の調査担当者に直接面接し、遺跡に関する情報をあつめるとともに、同園池についての調査所見をヒヤリングした。 また、2001年2月24・25日には日本と韓国の庭園史研究者、庭園遺跡発掘担当者などをあつめてシンポジウム(日韓の古代庭園」研究集会)を開催し、情報の交換と確認をおこなうとともに、園池の構造や形態について意見交換をおこなった。このシンポジウムの詳細は日本庭園学会紙(2001年中発刊予定)において収録するので、次年度以降の実績報告に添付することとしたい。
|