本研究は平成12.15年度の4カ年計画で日本と中国、韓国を中心とする東アジア地域における古代庭園について、発掘遺構を主たる対象として調査研究を行い、同地域における庭園の構造、立地、使われ方などを明らかにするとともに、各地域の庭園の系譜関係と相互の影響を解明することを目的としている。 第2年度である平成13年度は日本国内と韓国、中国、台湾の発掘遺構・現存庭園・庭園関係資料について資料収集と調査研究を行った。海外において現地調査した庭園遺構・現存庭園等は下記の11箇所である。 韓国 慶州市:九黄洞苑池遺跡・王京都市遺跡園池(2カ所)・感恩寺伽藍園池、大邱市:孤山池(方池)、益山市:弥勒寺跡方池 中国 広州市:南越国宮署遺址園池、昆明市:円通寺伽藍園池、西安市:唐長安城大明宮太液池 台湾 台北市:故宮博物院、板橋林家庭園 現地ではできるかぎりそれぞれの庭園遺跡の発掘調査担当者に直接面接し、遺構に関する情報をあつめるとともに、東アジア地域における同園池の位置付け等について意見交換を行った。 また、2002年2月1日には日本と韓国の庭園史研究者、庭園遺跡発掘担当者などをあつめて行われた研究集会に参加し、日本の飛鳥京苑池遺跡と韓国の慶州九黄洞苑池について、最新の発掘成果の確認と園池の構造、形態、機能などについて研究協議を行った。 なお、日本の庭園遺構については平成13年度は古墳時代以前の湧泉と流れからなる遺構について情報収集と分析を行った。
|