本研究は平成12年〜15年度の4ヵ年計画で日本と中国、韓国を中心とする東アジア地域における古代庭園について、発掘遺構を主たる対象として調査研究を行い、同地域における庭園の構造、立地、使われ方などを明らかにするとともに、各地域の庭園の系譜関係と相互の影響を解明することを目的としている。 第3年度である平成14年度は日本国内と韓国、中国の発掘遺構・遺跡庭園・庭園関係資料について資料収集と調査研究を行った。海外において現地調査した発掘遺構・遺跡庭園等は下記の8箇所である。 韓国 慶州市:九黄洞苑地遺跡、四天王寺祉、雁鴨池への給水路 安東市:方壇形積石塔、河回民族村、陶山書院 中国 集安市:丸都山城、渤海鎮:上城龍泉府 現地ではできるかぎりそれぞれの庭園遺跡の発掘調査担当者に直接面接し、遺構に関する情報を集めるとともに、東アジア地域における同園池の位置づけ等について意見交換を行った。 また、2002年10月には日本、中国、韓国の造園研究者をあつめて行われた第5回中日韓風景園林学術検討会(於北京)に参加し、「古代東アジア(中国・韓国・日本)の方池」と題する研究発表を行った。 なお、日本の庭園遺構について平成14年度は飛鳥時代の庭園遺構について情報収集と分析を行った。
|