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2000 年度 実績報告書

バングラデシュとミャンマーの少数民族における持続的農業と農村開発

研究課題

研究課題/領域番号 12571040
研究機関京都大学

研究代表者

安藤 和雄  京都大学, 東南アジア研究センター, 助教授 (20283658)

研究分担者 神崎 守  京都大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (70183291)
竹田 晋也  京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (90212026)
岩田 明久  京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (20303878)
大成 浩一  京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 助手 (10314254)
百瀬 邦泰  京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 助手 (30303879)
キーワードバングラデシュの少数民族 / ミャンマーの少数民族 / ラカイン州 / チッタゴン丘陵 / 持続的農業 / 農村開発 / 在地性 / 地域性
研究概要

ミャンマーの西部ラカイン州とバングラデシュ東部チッタゴン丘陵からベンガル湾海岸地域は、国境で二分されるとともに、大地域的には、東南アジアと南アジアの隣接点となっている。1970年代後半〜1990年代にかけて同地域は、政情不安を理由に外国人にはとざされてきた地域であった。したがって、調査研究を実施するにあたり現地情報が不足していた。今年度は、同上地域に焦点を絞りつつ、周辺地域であるベンガルデルタ東部ないし、イラワデジデルタ西部を踏査し、調査地域の概要把握を行った。また、同時に、以下の諸点が明らかになった。
(1)同地域には十数の少数民族が居住しているが、ラカイン族、チャクマ族、ムロ族、クミ族など、両地域を横断するように暮らしている民族は少なくない。
(2)特にチッタゴン丘陵では、焼畑と水田稲作、漁労という主な生業と嗜好する居住環境の差異から、尾根のいただき近くに住み、焼畑にいまなお依存しているトリプラ族、ムロ族、中腹の谷筋の高みに集落をつくり、焼畑と水田稲作を行っているチャクマ族、マルマ族、平坦地の川、海岸沿いで水田稲作と漁労を生業にするラカイン族と生態環境に順応するようにすみ分けを行っている。
(3)ビルマ犂、ベンガル竹製まぐわの少数民族への導入、チッタゴン地域の一部ベンガル人女性の少数民族が着用するタミンとよばれる腰巻の使用などの小数民族と非少数民族の相互の文化影響が大きいことが予想された。
同地域は、二つの国、大地域に二分されるが、むしろ地域性の連続性と同質性がつよいことが把握でき、本研究の方向性を確認することができた。また、同地域は、森林資源が豊かで、特に、質の高い材木となるフタバガキ科の天然林、チークの植林が名高く、焼畑植林が行われている。漁労も重要な生業となっているが、実態はよくわかっていない。今後は、同地域の持続的農業や農村開発を考える上で重要となる森林・焼畑・水田及び常畑農耕・漁労などの人々の生活を具体的に支える個々の生業の実態と、その相互関係を明らかにし、民族性を超えた地域が有する在地性を一つ一つ調査することが次年度以降の課題となる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 安藤和雄: "バングラデシュとミャンマーの少数民族における持続的農業と農村開発-1.チッタゴン丘陵とラカイン州の踏査-"熱帯農業. 45・別号1. 109-110 (2001)

  • [文献書誌] 竹田晋也: "熱帯森林資源の多目的利用の可能性-熱帯アジアの森林産物と人々のかかわり-"熱帯農業. 44・別号1. 141-144 (2000)

  • [文献書誌] 河合明宣: "ベンガルの忘れえぬ二つの村"コッラニ. 16号. 39-42 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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