研究課題/領域番号 |
12571042
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研究機関 | 桐蔭横浜大学 |
研究代表者 |
赤堀 正宜 桐蔭横浜大学, 工学部, 教授 (00167826)
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研究分担者 |
アルベルト パラシオス 桐蔭横浜大学, 工学部, 講師 (40267646)
久保田 賢一 関西大学, 総合情報学部, 教授 (80268325)
秋山 隆志郎 東京情報大学, 経営情報学部, 教授 (50202552)
角替 弘規 桐蔭横浜大学, 工学部, 講師 (10298292)
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キーワード | 遠隔中学校 / ビデオ教材 / テユーター / 4つのメディア / 学習書(グワデルノ) / モニタリング / 無テレビ集落 / 質問紙調査 |
研究概要 |
ペルー政府は、中学校(5年制)をアンデス山脈、アマゾン密林地帯に散在する小さな集落に設置し、現行の中学校就学率54%を引き上げる計画を立て、テレビ、教科書、自習書、テユーターの4つのメディアによる遠隔中学校教育を組織した。最終的には全国に3000校の設置を目標としたが、フジモリ政権の崩壊により衛星を利用したテレビを主教授メディアとするこの計画は大幅に遅れた。しかし、昨年4月から全国に101の実験校を設置し、放送に替えてビデオ教材を配布して教育を開始した。本年度は初年度であるので実験校を対象に基本調査を行った。行った調査は以下の通りである。(1)実験校の所在地、地理的条件、産業構造、集落の文化的構造(テレビの有無など)。(2)テユータ調査 テユターの性別、学歴、年齢、資格。(3)実験校の教育環境 使用言語、登録生徒数、電話の有無、電気の有無、校舎が専用か小学校への併設か集落の集会場かなど。(4)テレビの利用状況と効果調査 テユータへの質問紙による利用状況調査、効果調査。 上記の調査は昨年8月に教育省の協力により40校のモニタリングを行うと共に、本年3月に開かれたテユター研修会において100人のテユーターを対象とするアンケート調査を行い結果が得られた。これらから明らかになったことは、未だにテレビが無いかまたはあっても少数の家にしか設置されていない無テレビ集落が15%ほどあり、こうした集落のテレビ利用は生徒ばかりでなく集落の文化環境や生活環境の改善に貢献していることである。 上記の調査以外に山岳地帯のアヤクチョ県と海岸地帯のピューラ県の遠隔中学校を訪問して、実地調査を行った。現地調査によってペルーの遠隔中学校教育の抱えている問題点が可成り明らかになり、この結果に基づき二年度には、特定の遠隔中学校を取り上げ、地域社会の生産構造、生活文化環境の違い、テユータの教育観、教育技術の差などを観察、ビデオ、面接、により記録しこれらの分析を通してさらに深くテレビの教育効果を明らかにしていく予定である。
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