保育所に子どもを預けて働く父母の生活時間調査をとおして、性別役割分業の現状を明らかにしようとした。また、それを国際比較することによって、日本の現状を浮き彫りにし、女性の労働と子育て支援における保育所のあり方を検討したいと考えた。 1.日本・スウェーデン・イギリス・アメリカの調査結果から、男性がペイドワーク時間を多く持ち、女性の方がアンペイドワーク時間を多く負担しているという傾向の差はなかった。 2.保育所に子どもを預け始めた年齢と母親のペイドワーク・アンペイドワーク時間の負担には各国ともに差が見られる。 (1)1歳未満で保育所に預けたて、早く仕事に復帰した母親のペイドワーク時間は長い。アンペイドワーク時間は他の母親と大きく変わらなく、父親より長くなっている。 (2)3歳以上で保育園に預けた母親はアンペイドワーク時間が長く、育児と家事中心の生活になっている。 (3)1歳以上で保育所を利用した母親は、ペイドワーク・アンペイドワークともに短い傾向がある。余暇時間が長くなっているが、その中身は、こどもと遊ぶという育児中心の時間に振り当てられている傾向が強い。 3.父親の場合、各国ともに、子どもの保育所利用の年齢による特に大きな違いは見られない。
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