研究課題/領域番号 |
12572003
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
園田 茂人 中央大学, 文学部, 教授 (10206683)
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研究分担者 |
山田 真茂留 立教大学, 社会学部, 助教授 (20242084)
宮野 勝 中央大学, 文学部, 教授 (30166186)
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キーワード | アイデアの交換 / 双方向的研究 / 比較研究 / 台湾人マネジャー / 日本人イメージ / 情報共有 / 意思決定 / 日本人との距離感 |
研究概要 |
3年プロジェクトの一年目に当たる今年は、テーマに関わる研究業績のサーベイと今後の調査プロジェクトの運営に関する意見やアイデアの交換が主な課題となった。また、研究代表者が従来行ってきた研究成果を取りまとめ、来年度にどのような切り口からアプローチをしたらよいのかを、再検討するためにも時間と労力が当てられた。中国人研究者5名の訪日や、韓国チーム代表(朴氏)、中国チーム代表(王氏)、台湾チーム代表(張氏)との個別のコミュニケーションは、こうした目的を十分に果たすものであった。その結果、本プロジェクトの特徴の一つである「双方向的研究」が、具体的に来年以降の中国・江蘇省蘇州市での比較研究のアイデアとして結実することになった。 加えて、夏休み期間の1ヶ月に及ぶ台湾訪問のチャンスを利用して、日系企業で働く26名の台湾人マネジャーを対象に深いインタビューを行い、本調査のパイロットサーベイの代替とした。インタビュー内容については現在整理中だが、対象者の属性や企業との関わり方によって、ずいぶんと異なる日本人イメージが出てくることが再確認された。 具体的には、1)企業内での情報共有や意思決定に敏感な人ほど、日本人の行動に対して批判的・懐疑的になり、2)年齢が若くなればなるほど、日本による植民地支配の影響が弱まり、アメリカ的な思考を強く受けるなど、日本人との距離感が世代によって異なる、といった知見が得られたのだが、本調査を行う際に、この点を考慮に入れる必要がある。特に、日本人の側が、今指摘したような事実をどれだけ意識しているかが、今後明らかにされるポイントとなろう。
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