研究課題/領域番号 |
12572008
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大渕 哲也 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (30322035)
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研究分担者 |
ケネラー ロバート 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (20302797)
隅蔵 康一 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (80302793)
相田 義明 特許庁, 審判部, 審判官(研究職)
玉井 克哉 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (20163660)
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キーワード | 特許争訟 / 特許審決取消訴訟 / 審決取消訴訟 / 訴訟物 / 審理範囲 / 主張制限 / 特許侵害訴訟 / 特許無効の抗弁 |
研究概要 |
まず、特許審決取消訴訟基本構造論については、(1)行政処分の取消訴訟(抗告訴訟)の一般理論との関係におけるアプローチと、(2)比較法研究によるアプローチとを二本の柱として、徹底的な研究を行った。いずれの点についても、従前は、研究が全くなされていないか、極表面的にしかなされてきてはいなかったものである。 前者((1))の点については、このための大前提となる内外の行政法(含む行政訴訟法)と民事訴訟法の文献を極めて幅広く渉猟した上で、行政処分の取消訴訟(抗告訴訟)の訴訟物、判決効、主張(提出)(の制限)等の基本概念につき本質にまで掘り下げた徹底的な分析を行った上で、こうして導かれた一般理論の特許審決取消訴訟における当てはめないし特則の可能性につき、徹底的に検討を加えた。 また、後者((2))については、この関係で格別の重要性を有する、ドイツ法、オーストリア法、米国法、英国法、欧州特許条約について、比較法研究を行った。その方法としては、文献調査と現地調査を有機的に組み合わせた総合的研究を旨とした。その関係で、(前年度の米国、ドイツでの現地資料、現地文献渉猟に加えて、)今年度は、この分野では格別の重要性を有する(が、資料の非常に少ない)オーストリア法、英国法等についての現地調査(有力な学者、裁判官、弁護士、特許庁高官とのインターヴュー)及び現地での文献渉猟を精力的に行い、大きな成果をあげた。 現在、上記の研究成果をまとめて、大渕哲也(単著)・「特許審決取消訴訟基本構造論」(2001年9月刊行予定。有斐閣)を鋭意執筆中である。なお、このモノグラフィーは、この分野での本格的な基礎研究の初めての書となるものであるが、同書を核としつつ、これを踏まえた上で、重要な関連問題についての論文を、次年度以降順次発表していく予定である。 また、本研究のもう一つのテーマである特許侵害訴訟における無効の抗弁の可否の点についても、上記論文とも密接に関連するものであるところ、このテーマについても、文献渉猟をしつつ、研究を鋭意進めているが、ある程度プロセスがまとまったところで、上記と同様に、主要国での現地調査を行う予定である(次年度以降)。
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