研究概要 |
本年度はこれまでの研究成果をまとめあげることを目的としてスタートした。これまで、標記の研究課題のもと、生産性、セーフティネット、技術移転、FTA、金融危機等多くのテーマで共同研究を進めてきたが、そのうちいくつかは出版にこぎつけ、他は出版に向け最終稿を執筆中である。生産性については、阿部がシンガポール国立大学のタンガベル助教授と3つの論文を執筆し、そのうち2つが出版された。セーフティネットに関しては、阿部とタイのTDRIのスラウース博士と調査研究の上、国際学会で発表し、さらに推敲を加え、ニッポン博士の協力も得て、平成16年5月のハワイでの国際会議で発表した上で公刊の予定である。技術移転に関してはマレーシア科学大学のライ教授とマレーシアペナンにおける事例研究を行い論文にまとめ、現在投稿中である。FTAに関しては、チュラロンコン大学のスティパンド教授、NIDAのウィサーン教授と共同研究を行ってきており、10月にイリノイ大学で、その一部を発表(このバージョンは論文集におさめられる)、ジョンホプキンス大学のプラマー教授との議論(2月)を参考に、現在その成果を論文にまとめつつある。そして金融危機等については高阪教授グループがすでに、"Credit Crunch in East Asia : A Retrospective"(co-authored with Masahiro Enya and Mervin Pobre)という論文を執筆し、これを京都大学で開催したJSPS-NRCT Workshop on Perspectives of Roles of States, Market, Society, and Economic Cooperation in Asia等で発表、S.Abe and Bhanupong N.編の論文集に掲載が予定されている。 阿部はこれまでの成果を、平成15年度はイリノイ大学、タマサート大学、タイ外務省主催の会議、シンガポール東南アジア研究所、京都大学での国際会議等で発表してきた。3月には韓国KIEPから招待を受け、中国と日本とアジアを論じた。提出論文は韓国語での出版が予定されている。
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