本年度は、日本とイギリスの工場、廃棄物処理場や炭鉱、土取り場の跡地等既に劣化した環境の修復に関する調査を行いました。以下に結果について述べます。 調査対象(日本):緑の文化園(大阪府)、明石海峡公園(兵庫県)、玉禅寺ふるさと公園(川崎市)、若洲海浜公園、夢の島公園、尾久の原公園(東京都)、大江川緑地(名古屋市)調査対象(イギリス):コミュニティ・フォレストのフォレスト・オブ・エイボン、サウス・ヨークシャー、テムズ・チェイス、マージーサイド・フォレスト、グレート・ノース・フォレスト及びグラウンドワーク・トラストのアーク・バレー、レクサム、ベリーフィル・フィールズ、グリフィス・パーク 1.日本の対策では、劣化した環境の浄化や再生、及び回復した後に公園にする場合の管理費用に関する法律が未整備で、事例によって様々な法律が適用されている。従って、現在の対応は各自治体に一任されている。対応における課題としては、管理費用の確保、修復及び跡地利用計画における住民との連携が挙げられた。 2.イギリスでは、コミュニティ・フォレストやグラウンドワーク・トラストにより環境を再生し、大規模な公園緑地を整備している。費用面では政府やEUの補助金、民間企業の基金を組み合わせて事業が行われている。また、事業の実施は政府と自治体、民間企業、NPO、住民のパートナーシップにより行われ、計画の策定及び整備後の公園利用に重要な役割を担っている。今後の課題としては、雇用の確保、教育、地域の安全(破壊行為の削減)が重要であることが明らなった。
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