研究課題/領域番号 |
12572025
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
中山 徹 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助教授 (60222171)
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研究分担者 |
神吉 紀世子 和歌山大学, システム工学部, 助教授 (70243061)
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キーワード | 土壌汚染対策 / 再開発 / 工場跡地 / 汚染のある土地 / 法制度 / イギリス / パートナーシップ |
研究概要 |
本年度は、イギリス・マンチェスターにおいて土壌や水質に劣化した地域の環境再生について、まちづくりや地域再生、都市計画とも関連づけて調査を行った。 【マンチェスター北部、アークバレーの環境再生】 アーク川に沿った25の緑地(計250h)の環境を修復・再生する計画で、市内と大マンチェスターの住民による利用を視野に入れ、環境との交流を高めうる地域計画を目標にしている。 【マンチェスター東部、クレイトンベールの再生】 ニュートンヒースとクレイトンの間に位置する大規模な緑地である。1983年に市の開発公社が土地を買収し、4年間で造成を行い、その後市の公園管理課が10年間土地を平坦にして植林を行い、この4年間にはトラストが協力し、住民の参加や緑地の利用を促進している。 【まとめ】 (1)地域・都市と環境の修復・再生に向け、一括再生基金等のハード・ソフト両面に適用できる補助金が計画の実現を促進しており、他の複数の補助金とを組み合わせて総合的に事業が進められている。(2)環境の修復・再生に対する住民の理解・協力を得るには、緑地の安全性や役割を高めるべく、利用者増、利用促進を行うことが不可欠である。芸術プロジェクトや環境教育等、多様な試みによる総合的な取り組みの重要性である。(3)地域の再生とともに環境再生も進められ、地域内でのパートナーシップ形成に貢献している。事業を進める際、対等なパートナーシップの形成が重要であるため、住民への人的・技術的な支援が不可欠である。慈善事業団体のグラウンドワーク・トラストが、行政、企業、住民の3者間のコーディネーターの役割を果たし、住民への協力や助言、地域計画団体の育成や指導を行う等、参加から管理運営に向けて住民の養成を行っている。
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