本年度は南サハリン西部地域・都市調査として、ホルムスク(旧真岡町)、チェーホフ(旧野田町)、トマリ(旧泊居町)、イリンスキー(旧久春内村)、クラスノゴルスク(旧珍内)、ウグレゴルスク(旧恵須取町)、シャフチョルスク(旧塔路村)の現地調査を行った。 ホルムスクで旧王子製紙真岡工場社宅23棟。チェーホフでは旧王子製紙野田工場内施設8件(調木室、製薬塔、木釜室など)、同社宅10棟(職員社宅7、職工社宅3)、旧野田小学校奉安殿。トマリで旧王子製紙泊居工場内施設14件(木釜室、製薬塔、スクリン室、マシン室、製品室、発電室、汽罐室など)、同社宅7棟(職工社宅6、主任級社宅1)、泊居神社社殿基礎、第1、第2鳥居、奉安殿。イリンスキーで和小屋住宅1棟。クラスノゴルスクで珍内神社基礎および灯籠、発電所、木造住宅1、給水タンク。ウグレゴルスクで王子製紙恵須取工場内施設11件(調木室、製薬塔、硫黄室、木釜室、マシン室、旧恵須取高等小学校奉安殿、ヤマイチ倉庫、恵須取神社社殿基礎および鳥居。シャフチョルスクで塔路第一小学校基礎、同奉安殿、塔路第二小学校基礎などを確認した。補足調査として、ドリンスク(旧落合町)で旧王子製紙落合工場社宅32棟(うち12棟半壊)、コルサコフ(旧大泊)で旧王子製紙大泊工場社宅7棟(甲二戸社宅6棟、乙十戸社宅1棟)、住宅3棟、ユジノ・サハリンスク(旧豊原)で樺太庁副長官官舎、樺太守備隊衛戍病院(1908)、王子製紙豊原工場社宅9棟などが追加確認された。 実測調査として、1933年建設旧樺太中央試験場(現ロシア科学アカデミー極東支部所有建物)の実測調査を実施し、平面図、立面図、断面図等基本図面を作成し、さらに平成12年度調査の補足として、旧北海道拓殖銀行大泊支店実測図の再検証を行い同建物実測図を完成させた。
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