研究概要 |
本年度は、南サハリンの日本期の灯台で現存するものから、知来岬灯台(Lamanon lighthouse,1940)、小能登呂岬灯台(Slepikovsky lighthouse,1943)、毛主岬灯台(Lopatina lighthouse,1918)、愛郎岬灯台(Tonin lighthouse,1935)の4灯台の現地調査を行った。いずれの灯台も、現在も稼働していることを確認し、多くの機器類が日本時代のものを使用していた。現存状況として、灯台および周辺環境の写真撮影を中心に行い、沿革等の聞き取りを実施した。さらに現地調査の許可が下りなかった宗仁岬灯台(Kuznetsova lighthouse1914)、中知床岬灯台(Aniva lighthouse,1939)、二丈岩灯台(the Rock of Danger,1928)の3つの灯台を含めた7灯台についての文献調査を実施した。関連資料としては、『灯台局年報』(灯台局)(1931,1934,1936,1939)、『灯台表』(水路部)(1943,1946)、『東洋灯台表』(水路部、1917)、『日本灯台表』(灯台局、1939)、『灯台局 共十五号ノ二』、『灯台史資料』(灯光会)(1964)、『灯台局職員録』(灯台局)(1936〜1942)のほか、「樺太日日新聞」(1913〜1941)から灯台関連記事29件を収集した。また、2001年度調査の補足として、旧王子製紙(株)工場施設および社宅街の配置図を12枚作成した。2000年〜2002年度の実態調査結果について、264件の現存建造物データベースとしてとりまとめた。
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