研究課題/領域番号 |
12572034
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
大森 絹子 金沢大学, 医学部, 教授 (70293347)
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研究分担者 |
長沼 理惠 金沢大学, 医学部, 助手 (50303285)
城戸 照彦 金沢大学, 医学部, 教授 (20167373)
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キーワード | バングラデシュ / 都市貧民街(スラム) / 母子の健康 / リプロダクティブヘルス |
研究概要 |
バングラデシュは世界の最貧国に挙げられている。急速な都市化と高い人口増加率によって、世界最大規模の貧民街(スラム)が首都圏内に形成され、経済社会開発と都市環境に極めて大きな課題を提起している。住民、特に母子の健康と栄養に与える影響が憂慮されているが、スラム自体のマンモス化による人口問題が急速に進む中において、詳細な実態は明らかにされていない。本研究では、1971年の独立戦争後に形成された旧スラム街であるRayer Bazaarと1988年以降に形成された新スラム街であるVeribadhの2地域を調査対象とした。本年度は社会経済状況と環境衛生状態及びリプロダクティブヘルスについて5歳以下の乳幼児をもつ母親162名(Rayer Bazaar 82名;Veribadh 80名)に対して聞き取り調査を行った。その結果、Rayer Bazaarの方がVeribadhより家族収入、識字率ともに高く、トイレや上水道の普及率も高かった。これはスラム形成上の歴史的背景によるものと考えられる。また両スラムの母親とも結婚年齢、初産年齢ともに若年(10代)であり、乳児死亡率と5歳未満児死亡率も高いのが特徴であるが、VeribadhとRayer Bazaarとでは統計学的有意の差が見られた(p<0.05)。Veribadhの方がRayer Bazaarよりも結婚年齢、初産年齢ともに若く、乳児死亡率と5歳未満児死亡率は高かった。本年度の調査結果より、社会経済と環境衛生の状態がリプロダクティブヘルスの要因となっており、スラムと非スラムの間のみならず、スラム間においても形成時期により違いがあることが判明した。 雨季中における洪水や浸水、またストライキによる外出禁止などにより調査上の困難や支障が生じやすい状況にあるが、5歳児以下の乳幼児150名とその母親を対象として健康と栄養状態に関する調査を現在実施している。
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