研究課題/領域番号 |
12572035
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 県立長崎シーボルト大学 |
研究代表者 |
野口 房子 県立長崎シーボルト大学, 看護栄養学部看護学科, 教授 (40268834)
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研究分担者 |
国武 和子 県立長崎シーボルト大学, 助教授 (90316175)
古川 秀敏 県立長崎シーボルト大学, 助手 (10316177)
YOO Hyang cho Chodang University, Professor
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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キーワード | 高齢者 / 孤独感 / 抑うつ / ソーシャル・サポート / ハワイ / スウェーデン / 韓国 / 長与町 |
研究概要 |
高齢者対策の基礎資料を得る目的で、長崎県N町、アメリカ・ハワイ州の日系社会、スウェーデン・ストックホルム、韓国・木浦地区の高齢者を対象に、well-beingの阻害因子とされる孤独感、抑うつ、およびそれらに関連する認知機能、ソーシャル・サポート等について調査を行った。その結果、孤独感および抑うつはソーシャル・サポートと有意な負の相関が認められた。また、ハワイの日系高齢者では、N町やストックホルムの高齢者と比較して、抑うつの度合いが有意に低いが、ソーシャル・サポートに対する認識や満足の度合いは高く、地域住民との交流も幅広いものであった。一方、日本の高齢者では相談相手が家族に、また、ストックホルムでは友人に偏る傾向があった。同時に、余暇活動、ボランティア活動といった社会活動の度合いも、ハワイの高齢者と比較して有意に低かった。これらの結果より、高齢者が孤独や抑うつを経験せず、質の高い生活を送るには、地域住民との積極的な交流やソーシャル・サポートが重要であることが示され、今後の高齢者対策には地域社会との交流の場の整備も肝要であることが示唆された。 また、日本、スウェーデン、アメリカ、韓国の高齢者対策を比較した結果、日本はスウェーデンの後を追うような形で高齢者対策を行っていることが判明した。その一方で、我が国の高齢者人口の増加スピードは世界的にも類をみないものであり、先進諸国が我が国の対策を先例とする動向もみられた。本研究により、我が国の高齢者対策は地域社会におけるサイコ・ソーシャル・サポートの充実が重要であることも示唆された。
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