研究概要 |
本研究『アメリカにおける放射線ガン治療技術の開発と導入に関する歴史的・実証的研究・スタンフォード大学における産学協同をケーススタディとして』は、12から14年度までの調査を順調に完了した。 平成13・14年度の研究結果は次の通りである。13年度の夏、スタンフォード大学のSpecial Collection Archiveにおいて、Kaplan papers, Ginzton papers, Sterling papersの調査を継続し、またTim Lenoir, Christophe Lecuyerが共同でUC BerkelyのBancroft LibraryのVarian Associatesの資料調査を継続した。山中浩司は、平成14年3月にスタンフォードに来校し、資料調査に参加するとともに、Timothey Lenoir, Christophe Lecuyerおよび上山隆大と共同研究の打ち合わせを行った。14年度には、スタンフォード大学医学部において当該医療技術に関わった、医者と物理学者のインタビューを開始した。3人の研究者(Professors. Bagshaw, Kallman, Saul Rosenberg)のインタビューであったが、さらにつづけて、Willam Rutter, Ave Goldstein,そのた5名のインタビューを行った。 14年度の調査によって上記のアーカイブの調査の100%が終了した。あらたに着手し始めた調査は、1950年代から90年代までのスタンフォード大学のファイナンシャルレコードの調査である。スタンフォード大学の医学部と工学部のそれぞれの教授が、NSF、DOD、NIHなどからどれだけの研究資金を獲得していたのかを年度ごとに集計し、これによって、50年代後半からスタンフォード大学がどのように医学部の改革を行って、先進的な医療技術の集積地としてのスタンフォードを作り上げていったのかを検討した。 また12年度から、上智大学において、鬼頭宏が中心となってこの研究に密接に関連する研究者を招聘し、専門知識の供与を受けるために、「医療・技術・社会」というセミナーを開催し始めた。今後これらの研究成果についての報告を行う。13年度には、このテーマに沿って、『実証的バイオエシックス』という国際セミナーを、アメリカとカナダから5人の研究者を招聘し、上智大学で開催した。
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