研究課題/領域番号 |
12572041
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
岩崎 雅美 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (10083057)
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研究分担者 |
宮坂 靖子 奈良女子大学, 生活環境学部, 助教授 (30252828)
瀬渡 章子 奈良女子大学, 生活環境学部, 助教授 (60179348)
勝田 啓子 奈良女子大学, 生活環境学部, 助教授 (50093555)
中田 理恵子 奈良女子大学, 生活環境学部, 講師 (90198119)
久保 博子 奈良女子大学, 生活環境学部, 助教授 (90186437)
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キーワード | 新彊ウイグル自治区 / ウイグル族 / 少数民族 / 伊寧(イーニン)市 / 女性の生活 / 北新疆 |
研究概要 |
3年目の平成14年度は、北新彊でウイグル族が多く居住するイリ地区(主に伊寧(イーニン)市)とウルムチ市の地域を対象とし、イリでは主に農村の生活を民家訪問により調査し、ウルムチでは都市の生活の例として、ウイグル族の病院を訪問し、そこで働く女性の医師や看護婦に聞き取り調査を行った。またウルムチ市内の高級なマンションに暮らす都市型の家庭も訪問した。 イリ地区の人口は、2000年統計によると約212万人でその内の57万人がウイグル族である。イーニン市は人口34万人で、その約半数の16万人がウイグル族である。イーニンでは5軒の民家調査と3軒の参考訪問を行った。今回もカウンターパートである新彊大学の女性研究センターに協力をお願いした。特にウイグル族の教員には前もってイーニンに出かけてもらい、調査先の検討をお願いした。調査は8名で、家族・服飾・食物・住居の面から聞き取り・実測調査の方法で行った。その結果、北新彊と南新彊で生活意識の共通性は当然あるものの、地域的な特色が見られた。この地区はロシア(旧ソ連)に隣接していることから、市街には交易で裕福になっているウイグル族が多く、その様子が生活の様々なところに現れている。例えば住居では土地の広さが各段に広く、室内のしつらえにも南新彊と異なる設定が見られた。洗濯機や冷蔵庫などの電気製品もよく普及している。服飾の好みも南ほどアトレスシルクにこだわらず、モダンなシホンベルベットが流行していた。また女子の子供のいる家庭では、伝統的な化粧や装飾、髪型などが母親から着実に伝えられている。また食事には伝統的な料理が健在であった。いずれの地域においても、ウイグル族は家族の絆がとても強く、特に親子関係に目立って強い。
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