研究課題/領域番号 |
12572043
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
原田 秀樹 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (70134971)
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研究分担者 |
四蔵 茂雄 舞鶴工業高等専門学校, 建設システム工学科, 助手 (60259893)
大橋 晶良 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (70169035)
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キーワード | アジア開発途上国 / 都市ゴミ管理 / 水域管理 / 公衆衛生学的リスク / 開発と環境 / 持続的開発 / 環境経済学 |
研究概要 |
本研究の第一の目的は、アジア開発途上国の都市の環境質劣化の現状を把握するため、水と都市ごみに関するデータベースを構築することである。本研究の第二の目的は、劣化した環境質の原因分析を通して、その都市に適した効率的な都市環境の改善策を提示することである。本研究の第三の目的は、都市環境の劣化による都市活動の経済的損失を評価することである。そこで、平成13年度は、(1)インド・ムンバイ市のスラム地区住民の水利用と衛生設備に関する大規模な現地聞き取り調査を実施し、都市最貧困層に対する、汚染された水に起因する公衆衛生リスクを評価した。(2)フィリッピン・マニラ市周辺パッシグ川流域と、ニジェール国ニアメイ市ニジェール川流域の2地域を対象として、現地測定に基づく水質汚染状況と上下水道整備、排水網整備などの流域管理方策との相互関係を比較分析した。(3)総括的水質指標WQI概念を適用して、アジア主要4河川の総合的水質評価による相互比較を行った。(4)ネパール・カトマンズ盆地バグマティ川、インド・ガンジス川流域、バングラデッシュ・ダッカ周縁流域を対象として、水利用形態別の汚染源負荷を評価し、汚染強度の将来予測を行い、地域の社会・経済的実状に合致した効率的な水環境管理システムを提唱した。 さらに、以上の現地調査に基づいて、アジア開発途上諸国の主要都市域における水環境質劣化の現況を把握する貴重なデータベースを構築し、表層水汚染状況と水域管理政策のあいだの相互関係を環境経済学的視点から国際比較分析を行い、水域汚染の汚濁負荷構造を明らかにし、汚染表層水に由来する公衆衛生学的リスクを評価した。
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