研究課題/領域番号 |
12573002
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
向井 正 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (10097412)
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研究分担者 |
上野 宗孝 東京大学, 大学院・総合文化研究所, 助手 (30242019)
中村 良介 宇宙航空研究開発機構, 月利用研究センター, 研究員 (90281732)
伊藤 洋一 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (70332757)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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キーワード | 太陽系 / 塵雲 / 黄道光 / 冷却CCD測定器 |
研究概要 |
平成12年から平成15年にかけての研究期間において、合計7回の黄道光観測をハワオ・マウナケアで実施した。初年度は、自作した広視野撮像装置(Wide-field Imager of Zodiacal light with ARray Detector ; WIZARD)の試験観測を行い、その性能の検証と必要な改良点を明らかにした。次年度以降、改良したWIZARDによる観測をマウナケア山頂の「すばる望遠鏡」サイトで実施した。最終年度は、より広い視野の観測ができるように、「すばる望遠鏡」サイトの近くの「ハワイ大学望遠鏡」サイトを使用した。得られた成果を箇条書きにする。 1.塵雲の広域輝度分布と共に、ダストバンドや彗星の軌道に沿ったダスト・トレイルを可視波長域で始めて測定する事に成功した。 2.対日照の輝度中心の季節変化を観測した。前景となるダストバンドの影響を受けて、対日照の輝度中心の位置が違った場所に現われることを明らかにした。この影響を差しひくと、対日照は、黄道面に対して傾いた軌道面(太陽系の不変面)に沿った季節変化をしていることが判った。 3.太陽離角の広い領域での観測結果から、黄道光の大局的な輝度分布を抽出した。その輝度中心線の位置から、大局的塵雲の空間構造をモデル・シミュレーションで推定した。塵雲の中心面は、単一の平面で表せないことが、季節を変えたわれわれのデータから推定できた。 4.6月期には、黄道面が水平線に直立するので、大気光成分の除去がやりやすい。朝夕の観測から、地球軌道の進行前方(朝)と後方(夕)の黄道光成分の強度比較を行い、地球軌道に沿った塵雲の集積(共鳴雲)を検出することができる。現在までの観測では、朝夕の輝度比較の誤差範囲内では、有為な共鳴雲は発見できていない。今後引き続き観測を継続する。
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