研究課題/領域番号 |
12573003
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
垣本 史雄 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (00092544)
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研究分担者 |
吉井 尚 愛媛大学, 理学部, 教授 (00036360)
荻尾 彰一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (20242258)
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キーワード | 宇宙線 / 空気シャワー / 加速源 / 化学組成 / 超新星残骸 / 宇宙ガンマ線 / 中性子星 / 宇宙線伝播 |
研究概要 |
本研究目的は、チャカルタヤ山宇宙物理学研究所の既存の空気シャワーアレイに一部装置の増設を行い、宇宙線エネルギースペクトラム、化学組成と到来方向との関連を明確にし、Vela領域が高エネルギー宇宙線の発生源であることを確立することにある。 そこで、平成12年7月から平成13年1月にかけて、荻尾、常定(研究協力者、東工大大学院博士課程2年)、得能(同修士課程2年)、原田(同修士課程1年)、をボリビアに派遣し、測定装置を設置し、観測データの取得をするとともに、校正データの取得を行った。このうち校正データは、おもに、宇宙線到来方向決定や一次宇宙線エネルギー決定精度を向上させるためのもので、現地での観測装置設置後行う必要があり、観測データの蓄積を実行しながら行われた。観測データは、PCを介してDVD-RAM装置に保存されるが、このOSをLINUXに変更した。これにより、より安定した観測システムの構築に成功し、測定のdead-timeが著しく改善された。得られたデータは、垣本、吉井、荻尾により逐次解析が行われ、以前のデータによって示唆されていた、銀経270度近辺の宇宙線過剰の兆候が確かめられた。以上の途中経過は、平成13年4月の日本物理学会と平成13年8月に開催予定の第27回国際宇宙線会議において、口頭発表の予定である。 今後の予定としては、安定な観測を続行し、データの蓄積を早急に計るとともに、観測データと比較すべきシミュレーション計算を行う。現時点では、観測されている宇宙線過剰は、その領域の空気シャワーミューオンの解析より宇宙ガンマ線であるとは結論できないことから、Vela領域で加速された宇宙線のフローが関与しているのではないかと考えている。予備的なシミュレーション計算によれば、太陽系近傍の宇宙磁場構造をある程度仮定すると、観測データを説明できそうである。最終結果を得るには、更なる詳細なシミュレーション計算が必要である。
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