研究課題/領域番号 |
12573004
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
歌田 久司 東京大学, 地震研究所, 教授 (70134632)
|
研究分担者 |
後藤 忠徳 海洋科学技術センター, 研究員 (90303685)
上嶋 誠 東京大学, 地震研究所, 助教授 (70242154)
清水 久芳 東京大学, 地震研究所, 助手 (70302619)
湯元 清文 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (20125686)
|
キーワード | アジア大陸東縁 / 大陸性火山活動 / マントル遷移層 / 電気伝導度 / ネットワークMT法 / 地電位差観測 |
研究概要 |
本年度は3年計画の第1段階として、中国東北部からロシア極東地域(沿海州)にかけて活発な第四紀火山が分布する地域の深部マントル電気伝導度構造を解明する目的で、中国およびロシアの研究者の協力を得て、同地域においてネットワークMT観測を実施した。 中国では、11月に北京において中国国家地震局地質研究所を訪問し、研究打合せ及び中国東北地方における,過去の地殻電気伝導構造調査資料を収集した。また、吉林省長春市周辺で、電話回線を使用して4本の測線による地電位差観測変化を行った。その時系列データを長春の地磁気観測所における3成分地磁気変化データを参照にして解析して、MT応答関数(電気伝導度構造の情報を含む周波数に依存した関数)を求めた。更に、それらをインバージョン解析したところ、上-下マントル遷移層の深さで電気伝導度が急増する傾向が見られた。次年度以降は、このデータの解析をさらに進めるとともに、他の地域における観測を実施する予定である。 ロシアでは、8月にロシア科学アカデミー太平洋海洋研究所(ナホトカ)を訪問し、MT移動観測およびネットワークMTの実施計画細部の打合せを行った.その結果、ウラジオストック近郊において地磁気観測を行うと共に、沿海州におけるナホトカとハバロフスクを結ぶ電話回線を用いた地電位差変動観測計画が進めた。更に、回線の一部を用いた予備観測を行うこともできた。しかし、回線全体を1本のケーブルとして使うためには、途中の電話局において特殊な接続作業を行うことが必要なため、本観測を行うことはできなかった。冬期には作業ができないため、観測は次年度になって開始する予定である。
|