研究概要 |
研究目的は過去40-50年間における土地利用形態の変化と水文地形環境(土砂移動環境)の変動との関係を,アジアモンスーン地域において社会的背景の異なる日本そして中国雲南(経済の高度成長に関わる人工改変・都市化と社会主義集団化・開放経済)を対象として,人間活動が大地の改変に及ぼす物理的影響を明らかにし,人間と水文地形環境の関わりからみた今後の地球環境のありかたについて検討することである. 中国雲南での調査地は近年においてもその流域で自然災害が頻繁に発生している雲南省中部の程海・撫仙湖,と都市域(昆明)に近く近年においては農業用地等の改変が進められ,その影響が懸念され始めている星雲湖,杞麗湖である.わが国では1959年に流域で人工水路が作られ,資料も比較的豊富な余呉湖そして琵琶湖を比較対象として以下の解析を進めた. 1.雲南地域で採取した湖沼堆積物の分析;粒度・密度,磁化測定,biSiO_2等の物理分析,化学分析および年代測定(Cs-137, Pb-210). 2.雲南地域の衛星情報の解析;ランドサットMSS,ランドサットTMおよびJERS-1の解析. 3.雲南程海・星雲湖流域における地形改変の資料の解析. 4.雲南地域水文気象資料の解析 5.琵琶湖・余呉湖の堆積物試料分析の継続 6.琵琶湖・余呉湖流域での衛星データ,空中写真,地形資料の解析
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