研究課題/領域番号 |
12574010
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
都市計画・建築計画
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
塩崎 賢明 神戸大学, 工学部, 教授 (20127369)
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研究分担者 |
早田 宰 早稲田大学, 社会科学部, 助教授 (80264597)
間野 博 広島女子大学, 生活科学部, 教授 (60285418)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 公的住宅団地 / 住宅管理 / 団地再生 / 民営化 / ハウジングアソシエーション / 総合的アプローチ |
研究概要 |
本研究は、イギリスと日本における第2次大戦後の1950年代から1970年代に建設された公的住宅団地が抱える物理的、社会・経済的問題に対する包括的な再生対策とその具体的手法を比較研究することを目的としたものである。両国の大規模公的住宅団地が抱える問題点を整理し、(1)物理的・社会的問題に対する住宅・都市再生対策、(2)公共団体および入居者・地域コミュニティ、非営利組織などの再生対策への関与の解明を課題とした。この研究期間に、公的住宅ストックの再生対策における主体の役割分析に焦点を当て、公的住宅ストックが量的・質的諸問題に対してどのような改善対策を実施しているか、都市再生対策と住宅政策の関係に留意しながら把握に努めた。イギリスではバーミンガム市郊外のキャッスルベール団地、ニューキャッスル・アポンタインのバイカー団地、初期ニュータウンであるハーロー団地、荒廃団地として著名なブロードウォーターファーム団地をとりあげ、ケーススタディをおこなった。その結果、イギリスの公的団地の再生対策にも、HA等へのトランスファーを中心に進めるタイプと、自治体が団地の管理を継続しながら問題解決の道を探るタイプが命ることが明らかとなった。これに対して、日本では住宅団地における空家の発生、エスニック・マイノリティ問題などの点でイギリスの団地再生問題とは、課題が大きく異なる。日本では、建替えが主要課題となっており、その際、敷地の有効利用、高度利用などが大きなテーマとならており、団地再生の手法も物的改善に重点があることが明らかとなった。スロバキアのペトルジャルカ団地では団地の荒廃と再生問題は存在するものの、なお、新規建設が大きな課題であり、また、社会経済システムの移行に伴って、暖地の民営化とそれに伴う管理、住宅市場の形成が重要課題であることが明らかとなった。また、オランダのベルマミーヤ団地では、建設時点から荒廃団地に至る過程とその原因を明らかにし、その後の団地再生が、物的改善だけでなく、社会経済的施策と統合されたアプローチを取っていることが明らかとなった。
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