研究課題/領域番号 |
12574011
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
萩島 哲 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (70038090)
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研究分担者 |
大貝 彰 豊橋技術科学大学, 建設系, 助教授 (10160433)
趙 世晨 九州大学, 人間環境学研究院, 助教授 (80304848)
有馬 隆文 九州大学, 人間環境学研究院, 助教授 (00232067)
鵤 心治 山口大学, 工学部, 助教授 (30264071)
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キーワード | 印象派 / 都市的風景画 / 都市景観 / パノラマ景観 / シークエンス景観 / 仰角 / 視点場 |
研究概要 |
本年度は、研究計画の最終年度であり、いままでの個別の絵画のシスレーの視点場、それに印象派からはやや古くなるが、カナレットの視点場の調査を行った。また、福岡市内の近隣公園を素材にして、「絵になる景観」の応用例を示した。さらに、いままでの絵画の調査の資料をデータ・ベースとして整理・作成した。 1.ユトリロが描いたモンマルトル地区の絵画は、視点場と主な視対象までの距離が300m以内の近景、その仰角は10〜20度であることなどを明らかにした。さらに、それらの視点場をむすびつける散策ルートを提案した。 2.シスレーは、モレ・シュル・ロワンに晩年滞在し、橋、教会、門それに河川を含めて河川景観を好んで描いているが、河川沿いの広場が視点場として有効に利用されていることがわかった。 3.ヴェネツィアの都市景観を描いたカナレットは、広場を中心として描いた絵画と大運河を中心に水辺の景観を描いた絵画の2つのタイプの絵画を描いていること、また複数の視点場から描いた絵画が多数あり、遠くに見える景観要素をわかりやすく描いた。 4.カナレツトの評判とその影響を逃れるようにしてドレスデンに滞在したベロツトは、エルベ川沿いのドレスデンの町並み景観を写実的に描いたし、その郊外のピルナやケニッヒシュタインの田園景観をえがいている。
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