研究課題/領域番号 |
12574013
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
野中 昌法 新潟大学, 農学部, 助教授 (70198604)
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研究分担者 |
渡辺 彰 名古屋大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (50231098)
千家 正照 岐阜大学, 農学部, 教授 (00144006)
木村 眞人 名古屋大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20092190)
松本 貞義 近畿大学, 農学部, 講師
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キーワード | 熱帯林 / 農業利用 / 土壌肥沃性の評価 / 土壌修復 |
研究概要 |
平成12年度は1次林、2次林、伐採直後の耕地、コーヒー植栽1年目の耕地、コーヒー植栽15年目の耕地、伝統的なコーヒーを含むミックスガーデンのそれぞれのAMF(アバスキュラー菌根菌)の特徴、バイオマス窒素の変化、燐酸肥沃性の変化及び雑草植生による土壌肥沃性低下防止圃場におけるAMFとミミズ、土壌有機物、土壌酵素、土壌物理性による土壌肥沃性の評価を行った。その結果、雑草植生によりAMFの個体数と多様性が回復し、ミミズの個体数と糞量が増加した。また、マルチ処理により土壌粗粒子の流亡と塩基交換能の低下が抑えられ、腐植酸の割合が高くなる傾向を示した。さらに雑草植生により土壌流亡は抑えられた。しかし、コーヒーと雑草の養分競合生じてコーヒー生育が抑制された。この際、AMFは雑草とコーヒーが同時に栽培される条件ではコーヒーの生育に寄生的働くことが示唆された。また、現地における未利用有機物資源を利用して土壌肥沃性を増進させるため各種有機物資材の堆肥化過程での微生物酵素活性を調べ、稲ワラ及びトウモロコシ資材が高くなることを明らかにした。 これらの結果を踏まえ、本年度は雑草植生と土壌肥沃性の評価及び修復を調査する新規実験圃場を現地に設置した。この圃場はコーヒーの周りをスポット状に除草した区と雑草植生を階段状に設けた新しい区を含め6通りの雑草管理の異なる実験区を設け、コーヒーを植栽した。本年度は開設前の基礎データの集積と開設1年目の土壌サンプリングとコーヒー生育調査を行った。今後、この実験圃場を中心にコーヒー生育調査、窒素・燐酸肥沃性の変化、土壌バイオマスの変化、土壌有機物組成の変化、土壌流亡の変化、AMFとミミズの影響、土壌酵素の変化等を調べることで雑草植生による土壌肥沃性の評価と修復を行う。
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