研究分担者 |
山下 隆男 京都大学, 防災研究所, 助教授 (30111983)
江頭 進治 立命館大学, 理工学部, 教授 (00027286)
中川 一 京都大学, 防災研究所, 教授 (80144393)
立川 康人 京都大学, 防災研究所, 助教授 (40227088)
田中丸 治哉 神戸大学, 自然科学研究科, 助教授 (80171809)
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研究概要 |
インドネシアの東ジャワのブランタス川流域、中部ジャワのセマラン水系・ジャワ海、スマトラ北部のトバ湖・アサハン川流域を対象として、降水流出、土砂生産・輸送、河床・海岸の変動予測と管理、これらに伴う災害防止に関する研究を水系一貫した水・土砂の総合管理という観点から行った。本年度に得られた成果は以下のようである。 (1)寶・中川・諏訪・藤田・里深・立川は、ジャワ島における火山性山腹斜面からの洪水・土砂流出を算定する分布型流出モデルを構築し、土砂流出の広域的挙動の定性的特性を明らかにした。また、雨滴観測および土砂流出観測のサイトを特定し、今後の継続的な観測への基礎を築くとともに、河床変動、貯水池堆砂の現状とその対策について検討を行った。 (2)山下・吉岡は、セマラン水系・ジャワ海における物質輸送の力学モデル,数値モデルに関する研究を行った。特に,吹送流,風波および潮汐による砂・底泥の輸送による海浜変形予測モデルを対象とした。さらに,海浜変形特性の側面から,海岸漂砂セルを単位とした海岸の総合的管理の在り方を明確にした。 寶・田中丸は、トバ湖の水深をエコサウンダーを用いて計測し湖水の容量を推定するとともに、タンクモデルを用いて水収支を検討した。メダンの気象資料から流域の実蒸発散量、湖面蒸発量を推定し、蒸発散量、降水量、トバ湖からの観測放流量を用い、水収支式からトバ湖水位の長期変動(約14年間)の再現を試み、1984年の水力発電プラント稼働後の湖水位低下を含む大まかな変動傾向を捉えた。
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