研究分担者 |
石川 裕彦 京都大学, 防災研究所, 助教授 (60263159)
堀口 光章 京都大学, 防災研究所, 助教授 (60190253)
山田 道夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (90166736)
松本 淳 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80165894)
寺尾 徹 大阪学院大学, 情報科学部, 講師 (30303910)
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研究概要 |
夏季モンスーン期にダッカにおいて,バングラデシュ気象局(BMD)で,ラジオゾンデを用いた高層観測を実施した.気象局では,通常1回(00UTC)のラジオゾンデ観測と3回(06,12,18UTC)の高層風観測を実施しているが,この3回の観測について,発信器と風船の消耗品を提供することにより,観測を実施した.モンスーンの最盛期である6-7月に日本の研究者および大学院生がダッカに滞在し,モンスーン期の典型的な活動期,休止期の数日にわたって観測を行った.観測の実施についての判断はBMDの気象衛星の画像を参照して,モンスーントラフの動きを監視する事により,観測を実行した.これらの観測により,対流圏の風,気温,湿度の高度分布の情報が得られ,これらから大気の安定度を計算することができた.モンスーン期の降水の状態,とくに,季節内変動,日変化についての新たな知見が得られた. ダッカやロングプール,コックスバザール,ケプパラなどの更新されたレーダーネットワークの気象資料や地上気象資料を収集した.バングラデシュではBMDのほかにバングラデシュ水文局(BWDB)でも降水量の観測を実施している.この資料は,日雨量であり,時間分解能はよくないが,BMDに比べると多数の観測点の資料が入手できる。バングラデシュ工科大学のIslam博士は,現地での気象衛星資料の解析とBMDなどの機関での気象資料収集を行った.これらのレーダー資料と地上で観測された降水量を比較して,レーダー雨量の較正を行い,レーダーの資料を基にして,広域の雨量を高精度に推定する方法を確立しつつある.
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