研究概要 |
本年度は以下の成果を得た。 (1)デーデルライン自身が日本滞在中に採集し記載された棘皮動物は全部で37種であることがわかった。内訳は,ウミユリ1,ヒトデ8,クモヒトデ5,ウニ23種。これらのうち,ウミユリ,ヒトデ,クモヒトデは標本を確認し写真を撮影済み。ウニ23種のうち18種はミュンヘンにあることが判明。しかし、その内の2種のみ確認し写真撮影した。残りの16種はカード等でのみ確認。ウニのうち5種はどこの博物館にあるか今のところ所在不明。 (2)ウィーン自然史博物館の調査で、デーデルライン収集魚類標本が32種65個つかった。そのうち64個がタイプであった。 (3)ジュネーブ博物館の調査で、デーデルライン収集棘皮動物標本が3種4個つかったそれらはすべてタイプであった。研究分担者の藤田が現在再記載準備中である。 (4)八方珊瑚類では、並河が1999年の報告書の中でストラスブール動物学博物館で11種をつけたと報告しているが、それらに加えて、ベルン自然史博物館で6種、フンボルト大学博物館で2種の標本がつかった。 (5)本年度の調査で、デーデルライン収集以外の日本産八方珊瑚類標本が多数つかった。内訳は、ストラスブール動物学博物館から5種7標本、ベルン自然史博物館で7タイプを含む13種13標本、フンボルト大学博物館で15タイプを含む27種43標本、ミュンヘン動物学標本収集所で59タイプを含む59種113標本、コペンハーゲン大学動物学博物館で7タイプを含む34種47標本である。これらについて、研究分担者の今原が論文を執筆中である。 (6)デーデルライン収集動物標本のうち、魚類65種類、棘皮動物43種類、苔虫動物256種類、そして海綿動物249種類の標本の画像付きデータベースを完成した。 (7)デーデルラインが日本滞在中に書いた日記の翻訳を進めている。2004年中に日本語とドイツ語、英語で同時出版の予定。
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