研究概要 |
おやとい外国人教師として明治12年(1879)から2年間日本に滞在したルートウィヒ・デーデルラインが日各で収集した動物標本を、それらが所蔵されているヨーロッパの博物館で調査し、以下の成果を得た。 1.ヨーロッパ各地の自然史博物館から、新たに125のデーデルライン収集日本産脊唯動物標本が見つかった。そのうち39はタイプ標本であった。 2.ストラスブール動物学博物館からコシオリエビ類の標本が7種見つかり、そのうち3種はタイプ標本に基づき再記載中。 3.フンボルト大学自然史博物館から日本産ソフトコーラル類標本43点が見つかり、そのうちデーデルライン採集品は2点であった。 4.デーデルライン自身が日本滞在中に採集し記載された棘皮動物は全部で37種。内訳は,ウミユリ1,ヒトデ8,クモヒトデ5,ウニ23種。これらのうち,ウミユリ,ヒトデ,クモヒトデは標本を確認済み。ウニ23種のうち18種はミュンヘンで確認。残り5種の所在は不明。 5.ウィーン自然史博物館の調査で、デーデルライン収集魚類標本が180種391個体見つかった。そのうち32種88個体がタイプであった。 6.ジュネーブ博物館の調査で、デーデルライン収集棘皮動物標本が3種4個見つかり、すべてタイプであった。現在再記載準備中である。 7.八方珊瑚類では、並河が1999年の報告書の中でストラスブール動物学博物館から11種を見つけたと報告しているが、それらに加えて、ベルン自然史博物館で6種、フンボルト大学博物館で2種の標本が見つかった。 8.デーデルライン収集動物漂本のうち、魚類65種類、棘皮動物43種類、苔虫動物256種類、そして海綿動物249種類の標本の画像付きデータベースを完成した。
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